モロッコ代表初選出のブラヒム・ディアス、背番号10を着用へ…新たな“象徴”として期待高まる

モロッコ代表入りを決断したことが話題となっているレアル・マドリード所属のMFブラヒム・ディアスは、代表チームで“背番号10”を着用することとなりそうだ。スペインメディア『アス』が18日に報じている。

1999年8月3日、モロッコ人の父とスペイン人の母との間に誕生したB・ディアスは、両国の代表チームでプレーする権利を有した存在だった。アンダー世代ではスペイン代表でのプレーを選択し、現在A代表を率いるルイス・デ・ラ・フエンテ監督の下ではU-21欧州選手権(EURO)2021のベスト4入りに貢献した。2021年6月に行われたリトアニア代表との国際親善試合ではA代表デビューも果たしたが、以降はなかなかA代表から声がかからない日々が続いていた。

以前から王立モロッコサッカー連盟(FRMF)から熱心な誘いを受けていたことも相まって、今年に入ってからモロッコ代表への“鞍替え”を決断。3月のインターナショナルマッチウィークを戦うモロッコ代表に招集されていた。モロッコ代表は22日にはアンゴラ代表と、26日にはモーリタニア代表との国際親善試合に臨む。

所属クラブのレアル・マドリードでインターナショナルマッチウィーク前最後の試合を終えたB・ディアスは、既にモロッコ代表チームの合宿に合流するため現地入りしているという。空港にはスペイン、モロッコ両国のメディアだけでなく、横断幕を持った大勢のファン・サポーターの姿もあったようだ。今後のモロッコ代表の“エース”としての活躍も期待されるB・ディアスは、次のような言葉で声援への感謝を伝えている。

「応援と愛情をありがとう。今や僕は君たちの一員なんだ。モロッコの人々にとても感謝しているし、このユニフォームを身に纏う誇りを感じながら、僕の持つベストの力を尽くしたい」

また、現時点でモロッコ代表の面々の背番号は公式には明かされていないものの、今回の『アス』の報道によると、B・ディアスには“エースナンバー”の10番が用意されているという。

現在、B・ディアスはレアル・マドリードで背番号21を着用している。だが、若くして地元のマラガを離れて加入したマンチェスター・シティのユースチームでは背番号10をつける機会が多く、レンタル移籍で3シーズンプレーしたミランでも、後半の2シーズンは10番を背負っていた。スペインのU-17、U-19代表でも10番を託されており、本人にとっても愛着のある番号だ。高橋陽一氏による日本のサッカー漫画『キャプテン翼』の大ファンであることを公言しており、子どもの頃は主人公の大空翼に憧れていたことから、背番号10へのこだわりも強いのだという。

既にモロッコ代表は2025年に控えたアフリカネイションズカップ(AFCON)の開催国となることだけでなく、2030年に控えたFIFAワールドカップでも、スペイン、ポルトガルとの共催でホスト国となることが決まっている。ベスト4進出を果たしたFIFAワールドカップカタール2022でのインパクトを“奇跡”で終わらせないためにも、2つの大きな大会を見据え、強化に着手しているところだ。新たな環境で背番号10を託されることとなったB・ディアスは、その中心として長期的な活躍が期待されている。

© 株式会社シーソーゲーム