湯舟のお湯を飲みたがる猫、与えてOK? 猫の飲み水に関する素朴な疑問

冬は気温とともに湿度も下がり、空気が乾燥する季節です。猫にとって水を飲むことと健康の維持は直結しているので、乾きやすい冬は特に水分摂取に気を配るようにしましょう。

今回は、猫の健康管理に役立つ“飲み水に関する4つの疑問”を取り上げ、獣医師の田草川佳実先生にお答えいただきました。

Q1. 年齢によって飲水量は変化しますか?

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

A1. 加齢によって減る傾向があります。
年を重ねるとのどの渇きに鈍感になったり、運動量が減ることでのどが渇きにくくなったりするため、下記のような方法を取り入れ、飲水量のキープに努めましょう。

猫にたっぷりと水を飲んでもらう工夫

  • 水の温度や容器、置く場所など、愛猫の好みにあった方法で与える
  • 猫がどこにいてもすぐに水が飲めるよう、複数の場所に飲み水を置く
  • 水分量の多いウエットフードを食事の一部に取り入れる
  • 積極的に遊びに誘い、意識して運動量を増やす など

Q2. どんな水を与えればよいですか?

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

A2. 基本的に国内は水道水でOKです。
そのまま与えることに抵抗がある場合は、浄水器を通した水でもよいでしょう。ミネラルウォーターを与える場合は「軟水」と表示してあるものはよいですが、「硬水」と表示してあるものは病気のリスクを高める場合もあるのでNGです。

Q3. 愛猫が何分間も水を飲み続けるのですが、大丈夫でしょうか?

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

A3. 猫が何分間も水を飲み続けるということは考えにくく、何らかの異常が疑われます。
ただし、長く飲み続けているように見えて、実際は飲むのが下手で見た目ほど飲めていない場合も。まずは飲水量をはかり、多すぎる場合は動物病院で診てもらいましょう。

飲水量のはかり方

猫の飲水量をはかるときは、以下の手順で行うとよいでしょう。

(1)水の量をはかってから容器に入れる

計量カップではかっておいた量の水を、飲み水の容器に入れます。複数の容器を置いている場合は、それぞれはかって合計しておきましょう。

(2)24時間後に残った水の量をはかる

24時間経過したら、猫が残した水を再び計量カップに戻して計算しましょう。(1)で入れた水量との差が、猫の1日のおおよその飲水量です。ちなみに、猫の飲水量には飲み水だけではなく、フードから摂取する分も含まれます。ウエットタイプを与えている場合は80%、ドライフードは10%を、減った飲み水の量に加えて計算しましょう。

Q4. 愛猫は浴槽の水を飲むのが好きなのですが、飲ませてもよいのでしょうか?

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

A4. 入浴剤や洗剤などが入っていなければ、健康上のリスクはそれほど高くありませんが、衛生的とはいえないため、あまりおすすめしません。
お風呂場で飲むことが気に入っているかもしれないので、洗面器にきれいな水を張るなどして、与え方を工夫してみるとよいでしょう。

※猫を浴室に入れる場合は必ず同行し、猫が浴槽でおぼれたり、汚水を飲んだりしないよう十分注意してください。

冬は猫の活動量が減るなどして、飲水量も減る傾向にあります。愛猫が水分不足で不調を起こさないよう、気になることがある場合はかかりつけ医に相談するようにしましょう。

お話を伺った先生/田草川佳実先生(聖母坂どうぶつ病院副院長)
参考/「ねこのきもち」2024年1月号『乾きやすい季節だからこそ、たっぷり飲ませたい! 冬の猫に大切なのは水でした』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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