【マイナス金利政策解除へ】日銀“17年ぶり利上げ”決定で県民生活への影響は?専門家に聞く(静岡県)

日本銀行は、2016年から続けてきた「マイナス金利政策」を解除することを決めました。17年ぶりの利上げとなりますが、私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか?

日銀が決定した「マイナス金利政策」の解除。

これは先週、連合が発表した春闘の初回回答集計で、平均賃上げ率が5.28%と、33年ぶりの高水準となり、中小企業の平均賃上げ率も4.42%と、日銀が重視していた賃上げの中小企業への広がりが一定程度確認できたことことから、賃金上昇を伴った2%の物価目標の安定的な実現が見通せると判断したためです。

このマイナス金利の解除で、私たちの暮らしにどのような影響が考えられるのでしょうか。静岡経済研究所の恒友さんは…

(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)

「金利だけではなく物価の動向がどうなるのかが、非常に大きな状況だと思う。いまの物価高で家計を引き締めているという家庭が半分以上を占めている、当面は今の状況が続くという前提で、賢い消費をしていかないといけない」

さらに、今後の住宅購入についても。

(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)

「マイナス金利解除は、マイナス0.1が0~プラス0.1に上がっただけ。非常に小幅な動きで、住宅ローン金利の上げ幅もそんなに影響はないかと思うが、住宅ローンは2、30年の支払い、後で痛い目にあう可能性もある。個人個人のライフサイクルに合わせた資金計画を考えていかないといけない時代に入ってきた」

今回の解除について街の人は…

(街の人)

「いい方向に向かっているというか、少し明るくなりますよね」

「遅すぎたくらいじゃないか。ぼくはすごくよろしいと思う。結局円高に振れるので、ガソリンとか輸入の石油が為替で安く買えるので、ガソリンも下がるし普通金利も上がるので、前向きに捉えた方がいいと思う」

「どちらかというと恩恵が低いのかなと思っている。でもやっぱり家は欲しい。ある程度物価も上がってくると金利も上がってくるので、そこらへんに関しては厳しくなると思う」

一方で、県内企業の反応は…

こちらは、ピアノ部品などの販売で国内トップシェアを誇る浜松市の商社。

(イトーシンミュージック 伊藤哲宏 社長)

「即座に生活に影響があるとは感じていない。(金利が)上がるでしょう、ただそれがいつからだと。銀行から融資を受けているので、その返済の金額が大きくなると、その分、利益を出さないといけない。そういった次の手段の対応策になる」

こちらの会社は海外からの輸入品の販売もしていて、マイナス金利により円高が進めば追い風になるといいます。

一方で賃上げについてはいますぐの対応は難しいといいます。

(イトーシンミュージック 伊藤 哲宏 社長)

「あと2~3年しないと商品の値上げに対する消費がついてこないと思う。落ち着くのに2~3年かかるのではと思う。現在すぐに賃上げはできない状態」

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