兵庫県議会 2024年度当初予算案可決も 議員から厳しい意見 異例の事態

きょう兵庫県議会の本会議で採決が行われた新年度の当初予算案についてです。

予算案を巡って異例の事態が起きていました。
総額4兆3000億円余りの新年度当初予算案には、斎藤知事が柱と位置付ける県立大と県立芸術文化観光専門職大学の授業料の無償化に5億2000万円が組み込まれています。

本会議をスムーズに進行するため、事前に内容を審議する予算特別委員会が今月14日に開かれましたが、
そこで無償化について一部の会派から意見が出ました。

最大会派の自民からは、「議会と丁寧に議論すべき」という「付帯決議案」です。
この「付帯決議案」、事業を進める上での議会側の要望で、法的な拘束力はありませんが予算委員会の場で
出されたのは長い歴史がある県政史上初めてのことです。
さらに「ひょうご県民連合」からは、関連する費用を給付型の奨学金制度の拡充に組み替えるよう要求が出ました。

無償化の対象となる学生が県内の高校を卒業したうちの1・7パーセントと少ないことなどが理由です。

いずれも否決されましたが、議論が尽くされていないのではという指摘もあります。

前代未聞となった新年度の当初予算案。はたしてどうなったのでしょうか。

午前11時に始まった県議会の本会議。
採決を前に「ひょうご県民連合」からは、無償化を世帯年収に応じた学生への奨学金の給付に修正する案が出されました。

さらに一部の議員から無償化への進め方について厳しい意見が出ました。
無所属・橋本けいご議員「議論の不足感や議論がかみ合わない、のれんに腕押し感も否めず優先順位としても疑問です」
ひょうご県民連合・迎山志保議員「今後少子化が進んで経営が困難となるであろう私立大学関係者などから批判的な声が上がっていますが、施策を打ち出す前にこうした意見を聞く機会を設けなかったのは理解に苦しみます」

そして…。賛成多数で可決されました。

新年度からの無償化が決まりましたが、斎藤知事は…。
「いろんな指摘があり真摯に受け止めるが、今回は若い世代への支援策としてこの施策をやりたいという強い信念のもとでやった。政策に対する感心を持っていただける一つのきかっけになればいい」
無償化について、新年度は新たに4年生となる学生と 一部の大学院生の授業料が対象となります。

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