「ぬるま湯の時代」終了、適切な時期に判断=日銀政策修正で経団連会長

[東京 19日 ロイター] - 経団連の十倉雅和会長は19日、日本銀行がマイナス金利を解除するなど17年ぶりの利上げを実施したことについて「適切な時期に適切な政策を判断した」と評価した。その上で「ようやくカンフル剤による、ぬるま湯の時代が終わった。いよいよ、そこから出て歩き出す」と述べた。

十倉会長は記者団に対し、日銀の政策変更の背景としては「賃金と物価の好循環が始まり出したという兆しを日銀がつかんだ」と指摘した。賃上げの動きは「想定以上でほっとしている」といい、今後は中小企業や非正規従業員にも波及し、賃上げ率は「少なくとも昨年を大幅に上回る」との見方を示した。その上で「賃金と物価の好循環が始まる。成長と分配の好循環がスタートする。日本に対する評価も変わってくると思う」と語った。

日銀の政策変更発表後、為替が1ドル=150円台まで上昇したことについては「日本のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を表してはいないのではないか」と指摘。「ファンダメンタルズから見れば、もっと円高であってもおかしくない」との見方を示した。

「2%ぐらいのモデレート(緩やか)な物価上昇があり、われわれは生産性向上と物価上昇を見ながら、それを上回る賃上げをやっていくという世界にこれから入っていきたい」との思いを語り、その意味では「これからがまさに正念場だ」と話した。

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