住宅ローン、金利上昇に備えを 円高になれば輸入品が安く

 日銀が金融政策を大きく転換し、世の中が「金利のある世界」に戻る入り口に立った。私たちの暮らしへの逆風として考えられるのが、住宅ローン金利の上昇だ。専門家は将来の負担増への備えが必要だと訴える。恩恵としては普通預金の金利が上がるほか、外国為替相場が円高基調に転じた場合に輸入品が安くなる可能性がある。

 住宅ローンは一定期間か完済まで金利が同じ固定型と、半年ごとに金利を見直す変動型に大別される。金利引き下げ競争の激化もあって変動型は金利が0.3%前後と歴史的に低く、ローンを借りる人の大半が選んでいる。

 変動型の金利は、銀行が業績の良い企業に貸し出す際の金利「短期プライムレート」に一定の金利を上乗せし、個人の信用力に応じた優遇幅を差し引いて決まる。短プラの動きに影響を与えるのが日銀が決める政策金利だ。市場では、短プラは現行の1.475%の水準で当面据え置かれるとの観測が強い。短プラの引き上げは、政策金利のさらなる引き上げが条件とみられる。

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