永野芽郁『君が心をくれたから』最終回に集まる賛否…熱烈ファンが気になったのは「恋人に捨てられただけの斎藤工」の悲哀【ネタバレあり】

永野芽衣(左)と山田裕貴

月9ドラマ『君が心をくれたから』(フジテレビ系)の最終回が、3月18日に放送された。愛し合う2人が奇跡と引き換えに過酷な運命に巻き込まれる物語。衝撃のラストは、平均世帯視聴率6.6%だった(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。

事故にあった朝野太陽(山田裕貴)を救うため、あの世の案内人・日下(斎藤工)の提案を受け入れた逢原雨(永野芽郁)。その提案とは、太陽の命を救う代わりに、3カ月で自身の五感(味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚)が1つずつ失われていく過酷なものだった。劇中では、この提案を「奇跡」と呼んでいる。

最終回前半で、雨は聴覚だけが残っている状態。2人は残りの1週間、大切な時間を過ごす。そして、ついに雨の五感がすべて失われたとき、日下が登場し、「奇跡はまだ終わっていない」とささやく。

雨を救ってほしいと願う太陽に、日下は「天寿を全うするか、自らの命と引き換えに雨の五感を回復させるか」いずれかを選ぶよう迫る。

本来なら、3カ月前に命を失っていたはずの太陽は「奇跡が猶予をくれた」と雨に感謝し、「返します。雨に心(五感)を」と日下に伝え、この世を去った――。

この結末にネットでは、

《2人の未来の夢が叶って良かった》

《太陽くんどこまでも優しくて、あったかい人だなぁ。泣かないでって言われても泣いちゃうよね》

《「雨が降るには太陽が消えないといけないからね」って言い出して天才かと思った》

と感動の声が寄せられた一方、ドラマでは一貫して2人に過酷な運命が科されていたことから、こんな辛口批評も。

《五感を失うってのに、まるで悲壮感がない》

《月9なのに最終回に延長無しなんて珍しいね》

《ドラマ史上過去一のトンチキ・クソドラマ》

最終回の前日から、大ヒットドラマ『踊る大捜査線』劇場版の公式サイトが24時間カウントダウンを開始し、12年ぶりの新作プロジェクトを発表したこともあり、

《フジは踊るのサイトがカウントダウンしてるしオリジナルは過去物を引っ張り出してくるしかないのかな》

といったコメントも。

「ドラマはあくまで雨と太陽の深い絆を描いたものでしたが、熱烈なファンの一部からは、あの世の案内人・日下の心情をおもんぱかる声も出ていました。

というのも、いまでこそ『あの世』の住人である日下ですが、もともとは、瀕死の重傷を負った恋人を救うため、恋人が負ったケガをすべて引き受ける “奇跡” を受け入れていたんです。

それなのに、彼女は『あなたを支えることはできない』とすぐに姿を消し、日下はその後、20年間も希望がない状態で寝たきりで過ごしました。

つまり、日下は自分だけが損した人生。雨と太陽が、お互いに身を捧げて救いあったことに比べ、悲惨さが際立ちます」(テレビ担当記者)

そのため、SNSには

《ひとつ気になったのは、昔、案内人の日下さん自身が奇跡で助けた女性は、最後にこの奇跡を受け入れて、日下さんに元気な体を返してあげなかったっていう事だったんですかね?日下さんの気持ちが知りたいですね。》

との指摘も――。涙なくして語れないのは、日下の悲惨な生き様なのかもしれない。

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