「懐かしのおいしさ」裏メニュー「カレーパスタ」を新名物に 店主の幼い頃の思い出の味

「カレーパスタ」(1500円)

長野県上田市のカレー店の裏メニューです。それは、スパゲッティにカレーをかけた「カレーパスタ」。主の幼いころの思い出のメニューで、新たな名物にしようと意気込んでいます。

上田市・鹿教湯温泉のカレー店「白扇」。コリアンダーやカルダモンなど十数種類のスパイスをブレンドした「バングラデシュカレー」(1300円)が看板メニューです。

もう一つ人気のメニューがあります。ゆでたスパゲッティとソテーした野菜。そこにカレーをかけた「カレーパスタ」(1500円)。2023年春から数量限定の裏メニューとして提供してきました。

男性客:
「相性いいです。からみも良い」

考案したのは店主の浜重俊さん(78)です。

白扇・店主・浜重俊さん:
「今までは裏メニュー的に、なじみの客に試行錯誤というか、ご意見をうかがうような感じに作ってきた。そろそろ時期だなと」

「白扇」のオープンは1999年。店主の生田千鶴子さんが一人で切り盛りし、バングラデシュのシェフ直伝のカレーが人気でしたが、2017年、突然亡くなりました。

店は閉じられたものの、生田さんの夫は面影を残そうと3年もの間、店をそのままの状態にしていました。

たまたま鹿教湯を訪れた浜さん。そのエピソードに心を動かされ、「店を復活させたい」と申し出ました。

浜重俊さん(当時):
「自分が感動した、感激したものに出会うと、どうしてもそこから離れられなくなる。これやりたいと思ったら止まらない」

料理は未経験でしたが生田さんのレシピをもとに試作を繰り返し、2021年、店を復活させました。

オープンから3年…。

コロナも落ち着き客足が戻る中、「新たな名物を」と考えていた浜さん。浮かんだのは思い出のメニューでした。

白扇・店主・浜重俊さん:
「『インド風スパゲッティ』っていうのがあった。小学校5年の時に食べた時、すごく気に入った。自分が納得できる、合格点を出せるようなカレーができた時には、ぜひ『カレーパスタ』を出してみたいと」

女性客:
「スパゲッティにカレーなんて懐かしい」

白扇・店主・浜重俊さん:
「今あまりない、ありそうでいてない」

ゆでたスパゲッティにカレーをかけるだけのシンプルなメニューですが、麺に絡みやすいようルーにとろみをつけるなど工夫しました。

女性客:
「懐かしいようなおいしさ。カレーもちょっと辛めでおいしかった。全然違和感ない」

常連客からも好評で、来週からレギュラーメニューに加える予定です。

白扇・店主・浜重俊さん:
「心あたたまるメニューとして自分の思い出を込めて食べていただきたい。一人でも多くの人に提供させていただけたらうれしい」

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