猫が『鼻をヒクヒクさせている』2つの原因 ニオイをかぐ以外に、病気の場合も

猫の鼻ヒクヒクにはどんな意味がある?

猫の嗅覚は人間の20万倍とも30万倍とも言われています。さらに猫の鼻は湿っているため、ニオイの物質を効率よく集められるようになっています。

そのため猫は、ニオイを嗅ぐことでさまざまな情報を収集していると言われているのです。

たとえば「少し前に知らない猫が通ったな」「獲物のニオイがするぞ」「これは食べられる!」など、生きていくうえで重要な情報もニオイから入手しています。

猫が鼻をヒクヒクさせて、さまざまなニオイを感じ取ることには、自分の命を守る意味があるのです。

ニオイを嗅ぐ以外では、病気が原因で鼻をヒクヒクさせる場合もあります。

それでは猫が鼻をヒクヒクさせる原因について、もう少し詳しく見ていきましょう。

1.気になるニオイを分析している

猫が鼻をヒクヒクさせるのは、ニオイを集めてさまざまなことを分析しているからと考えられています。では具体的にはどのような場面で鼻をヒクヒクさせるのでしょうか?

たとえば以下のような場面があります。

  • 食べ物の安全性を確認する
  • ほかの猫のニオイを嗅ぐ
  • 空気中のニオイを分析する

猫は食べ物のニオイから食べても大丈夫かどうか確認したり、ほかの猫のお尻のニオイで性別などを確認したりします。

また空気中に漂うニオイを嗅いで安全確認をしています。たとえば窓を開けたときに、猫が鼻をヒクヒクさせているのを見たことはありませんか?

この行動は、窓の外から入ってきたニオイから、外で危険なことや変わったことが起きていないかを確認しているのです。

2.息苦しさを感じている

猫は呼吸が苦しいときに鼻をヒクヒクさせて必死に呼吸をすることがあります。このような呼吸を「鼻翼(びよく)呼吸」といいます。

鼻翼呼吸は酸素の取り込みが上手くできないときの呼吸で、この状態が見られたら、呼吸器疾患や循環器疾患などの可能性があるでしょう。そのほかには、熱中症や貧血、発熱なども考えられます。

いずれにしても猫が鼻をヒクヒクさせて呼吸をするのは、かなり苦しい状態です。早急に治療をおこなわなければ命を落とす可能性があります。夜間であっても早急に動物病院を受診してください。

危険な鼻ヒクヒクの見分け方とは?

では猫にとって危険な鼻ヒクヒクとは、どのような状況なのでしょうか?

猫がニオイを嗅ぐために鼻をヒクヒクさせるときは、鼻を小さくヒクヒクと動かします。またにおいを嗅ぐときだけですから、一時的で継続してヒクヒクさせることはありません。

一方で、呼吸困難などで呼吸が苦しいときには、鼻だけではなくマズル全体をヒクヒクとさせて必死に呼吸をします。ニオイを嗅ぐのとは異なり、継続的に鼻をヒクヒクさせて呼吸をします。

ほかにも胸が大きく動く、呼吸が荒いといった様子も見られたり、横になろうとしなかったりしたときも呼吸が苦しい状態です。

まとめ

猫は鼻をヒクヒクとさせてニオイを嗅ぐことで、さまざまな情報を収集、分析しています。猫にとっては、生きていくうえで大変重要な行動のひとつと言えるでしょう。

その一方で、鼻ヒクヒクは命にかかわる危険な状態に陥っている可能性もあります。もし愛猫が、継続的に鼻をヒクヒクさせているならば、深夜であっても早急に動物病院を受診してください。

呼吸の異常にいち早く気づくためにも、日頃から愛猫の呼吸の様子を確認し、正常な状態を把握しておきましょう。

© 株式会社ピーネストジャパン