ひどい元部長、自分の給与を水増し…経理担当者が見抜いて発覚、解雇されていた 数千万円を着服、ブランド品買って旅行…さらに法人用クレカでゲーム課金、止まらない横領 経理を統括していた元総務部長、逮捕3度目

元総務部長を3度目の逮捕、会社の口座から横領=さいたま市北区

 会社名義の口座から現金を引き出し、自己名義の口座に現金約1200万円を入金したとして、埼玉県警捜査2課と大宮署は7日、業務上横領の疑いで、機械部品製造業「宮山技術研究所」(さいたま市北区)の元総務部長で、無職の男(53)を再逮捕した。逮捕は3度目。

 再逮捕容疑は2017年6月2日~21年11月15日、さいたま市内の金融機関で同社名義の預金口座から出金し、現金約1200万円を自己名義の口座に入金し、横領した疑い。調べに「事実に間違いはありません」と容疑を認めているという。

 捜査2課によると、男は犯行時、預金管理などの経理業務全般を統括できる立場で、同社の小口現金用の口座から計111回にわたり、4340万円を引き出し、引き出し場所から計113回にわたって1225万400円を自己の口座に入金した。横領した現金の一部は買い物や旅行、飲食代に費やしたとみられている。男は21年12月に同社を解雇された。

 県警は出金額と入金額の差額約3千万円の使途先などを調べている。

■法人用クレカで飲食、ゲームアプリ課金(以下、2度目逮捕時の記事)

 法人用クレジットカードを私的に利用し、約2300万円の支払いを会社に負担させたとして、埼玉県警捜査2課と大宮署は2月14日、背任の疑いで、会社員の男(53)=さいたま市岩槻区本町4丁目、業務上横領罪で起訴=を再逮捕した。男は犯行時、機械部品製造業「宮山技術研究所」(さいたま市北区)の元総務部長で、経理業務全般を統括できる立場を悪用したとみて、詳しい経緯を調べている。

 再逮捕容疑は2019年6月1日~21年11月30日ごろ、計1307回にわたって、同社から貸与された法人用クレカを自己の支払いのために使用。遊興費など計2319万4244円の支払い債務を社に負担させた疑い。「事実について、間違いありません」と容疑を認めているという。

 県警は自身の給与を水増しし、計約2360万円を横領したとして、男を1月25日に逮捕していた。捜査2課によると、別の経理担当者が帳簿を確認する過程で法人クレカの不正利用が発覚。使用したカードは1枚で、主な使途先は買い物や旅行、飲食代、ゲームアプリの課金などだった。男は21年12月に同社を解雇された。

 県警は余罪があるとみて、捜査を進めている。

■給与を水増し、ブランド品購入も(以下、初報記事)

 経理担当として勤務先から自身の給与を水増しし着服したとして、県警捜査2課と大宮署は1月25日、業務上横領の疑いで機械部品製造業「宮山技術研究所」(さいたま市北区)の元総務部長で会社員の男(53)=さいたま市岩槻区本町4丁目=を逮捕した。

 逮捕容疑は2018年7月6日~21年10月27日までの間、38回にわたりインターネットバンキングを利用して、同社名義の預金口座から正規支給額に合計300万4999円を水増しした現金合計2360万2885円を男名義の口座に振り込み、横領した疑い。「間違いありません」と容疑を認めているという。金は旅行やブランド品の購入に充てたとみられる。

 同課によると、21年11月に同社の別の経理担当者が帳簿を確認したところ、不正支出を発見。翌22年2月、大宮署に相談した。男は21年12月に同社を退社している。県警は男が給与の水増し以外の手口でも現金を着服していたとみて、数千万円の余罪があるとみて捜査を継続している。

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