青森市三好の商業施設「ガーラタウン アネックス棟」に20日、シネマコンプレックス(複合映画館)「イオンシネマ新青森」がオープンする。19日は内覧会を兼ねたプレオープンイベントが行われ、報道関係者や試写会に当選した人ら約200人が県内初導入のシステムなどを体験した。同館オープンにより、2021年8月末の青森コロナシネマワールド閉館以来約2年7カ月ぶりに同市にシネコンが復活する。
イオンシネマ新青森の座席数は1020席と旧劇場に比べ400席ほど少ないが、全席両ひじ付きで隣同士の間隔が広く、ゆったりと映画を鑑賞できる。スクリーン数は八つで以前と変わらないが、大きさは最大約1.2倍にリニューアルされ一回り大きくなった。
また、最大座席数の1番スクリーンはコンサートホールのような音響設備が施されている。飲食売店はスマートフォンなどを使い並ばずに注文できる「セルフオーダーシステム」、チケットをインターネットで予約した場合はスマートフォンをかざすと発券せずに入場できる「チケットレス入場」など、県内初のシステムも多数導入した。
セレモニーでは来賓の西秀記青森市長が、多くの市民からシネコン復活を願う声が寄せられていたとし「またこうしてたくさんの人が集まる光景を見ることができうれしい」と祝福。サプライズで登場したタレントの王林さんは「1日支配人」を務め、西市長らとテープカットを行った。
主催者あいさつでイオンエンターテイメントの藤原信幸社長が「地域の人に愛され、何度も足を運びたくなる劇場を目指す」、イオンシネマ新青森の松原史了(ふみのり)総支配人は「地域ゆかりの作品をはじめ幅広いコンテンツを展開したい」と語った。
王林さんによるミニトークショーも開かれ、「初めての映画館は弟と一緒だったが、良い場面でトイレに連れて行った思い出がある」と話し笑いを誘った。
試写会に参加した同市の黒田朝子さん(64)は「青森からシネコンが消えずっと寂しかった。待ちに待ったシネコン復活がとてもうれしい」と笑顔で語った。