米2月一戸建て住宅着工・許可件数、約2年ぶり高水準 供給不足追い風

Lucia Mutikani

[ワシントン 19日 ロイター] - 米商務省が19日発表した2月の一戸建て住宅の着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比11.6%増の112万9000戸だった。穏やかな気温と中古住宅の根強い供給不足が着工を後押しし、2022年4月以来、1年10カ月ぶりの高水準となった。

一戸建ての着工件数は住宅建設全体の大部分を占める。

今年1月分は101万2000戸と、前回発表の100万4000戸から上方改定された。

2月の一戸建て住宅着工の地域別は、15.4%減った西部を除く3地域が増加。中西部が40.2%、南部が16.6%、北東部が16.4%それぞれ増えた。

5戸以上の集合住宅の着工件数は8.6%増の37万7000戸だった。

全体の住宅着工件数は10.7%増の152万1000戸。ロイターがまとめた市場予想の142万5000戸を上回った。

一戸建ての住宅建設許可件数は1.0%増の103万1000戸と、22年5月以来、1年9カ月ぶりの高水準だった。集合住宅は2.4%増の42万9000戸。全体は1.9%増の151万8000戸だった。

ネーションワイドのエコノミスト、ダニエル・ブィルハーバー氏は「買い手は向かい風に直面しているものの、建設業者は新築住宅への需要を見込んでおり、一戸建て着工件数は今後数カ月、好調を維持する可能性がある」と述べた。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「建設業者は今年後半に見込まれる米連邦準備理事会(FRB)の利下げを心待ちにしており、住宅建設は今後数カ月で経済成長を若干押し上げる公算が大きい」と述べた。

建設許可を受けたものの未着工となっている住宅は0.4%増の27万戸。うち一戸建て住宅は1.4%減の14万1000戸だった。一戸建て住宅の完成件数は20.2%増の107万2000戸と、22年11月以来の高水準となった。

全体の完成件数は19.7%増の172万9000戸と、07年1月以来の高水準だった。住宅の供給不足が住宅価格の高止まりや家賃インフレの一因となる中、これは朗報となる。

建設中の住宅件数は0.5%減の166万6000戸。うち一戸建て住宅は0.3%増の68万3000戸、集合住宅は1.0%減の96万6000戸。

オックスフォード・エコノミクスの米国リードエコノミスト、ナンシー・バンデン・ハウテン氏は「集合住宅の増加は家賃インフレに圧力をかけるだろう。家賃インフレは鈍化しているものの、依然高止まりしている」と述べた。

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