ベトナムのホー・ドク・フォック財務相は18日、国会常務委員会での質疑応答で、民間商業銀行サイゴン商業銀行(SCB)で起きた巨額横領事件について、2012年から22年までの間に四大会計事務所のうち3つの事務所がSCBの財務諸表を監査したが異常な兆候を発見できなかったとして、「監査人や査定士が不正を見落としたことは明らかだ」と指摘した。ネットメディアのカフェFが同日付で伝えた。
フォック氏が名指しした会計事務所は、アーンスト・アンド・ヤング・ベトナム(EYベトナム)、デロイト・ベトナム、KPMGベトナム。
フォック氏は最近発生した一部の刑事事件で独立監査における違反や見落としが発見されたことについて、監査会社のスタッフの能力や責任感など多くの要因があり、共謀して故意に不正行為を行った疑いも排除できないとの見解を示した。
フォック氏は監査業務について、財務省は監査人の育成から認定試験まで厳格に実施しているとし、今後監査会社の管理を強化し違反があれば厳正に対処すると述べた。
価格査定会社については、全国に数百社しかなく、財務省が価格査定士資格試験を厳しく管理していることに言及。最近の違反事案は主に査定士が故意に行ったものだと述べた。
一方で、一部の法規文書に価格査定士が悪用できる抜け穴があることも認めた。