エヌビディアの旗艦AI半導体、年内に出荷見通しと幹部

Max A. Cherney Stephen Nellis Medha Singh

[サンノゼ(米カリフォルニア州) 19日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアは19日、最新の人工知能(AI)向け旗艦チップ「ブラックウェルB200」を年内に出荷する見通しを示した。データセンター向け事業について明るい見通しも示した。

年次開発者会議「GTC2024」で、ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)やコレット・クレス最高財務責任者(CFO)が投資家の質問に答えた。この日の株価は一時4%近く下落していたが、幹部の発言を受け約2%上昇する場面もあった。

クレス氏は前日の会議で発表した最新チップについて「年内の市場投入を想定している」と述べた。

また、フアン氏はエヌビディアが開発に特化するアクセラレーテッド・コンピューティング・コンポーネントでデータセンターをアップグレードするために企業が年間2500億ドル以上を費やす見込みだと語った。

データセンター市場は年間で最大25%成長していると指摘。「エヌビディアはチップを構築するのではなく、データセンターを構築する」と話した。

以前のAI向け旗艦チップの出荷遅延につながったパッケージングでのボトルネックを回避するため、半導体受託生産世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)と協力していることも明らかにした。

「前回は需要がかなり急激に拡大したが、今回は十分に見通せる」と語った。

フアン氏はまた、CNBCに対し、ブラックウェルB200の価格は3万─4万ドルになると語った。

その後、この発言を明確にし、エヌビディアは新チップを大規模なコンピューティングシステムに搭載するとし、価格は提供される価値によって異なると述べた。

フアン氏はCNBCに対し、ブラックウェルのプラットフォームの研究開発予算が約100億ドルだったことも明らかにした。

モーニグスターのアナリストは、エヌビディアのハードウェア製品はAI業界で「最高」であり続ける見通しだとし、2026年と28年の同社のデータセンター関連売上高予想を引き上げた。

エヌビディアは18日開幕した開発者会議でブラックウェルB200を発表。従来製品より最大30倍高速という。

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