賜杯争いを占う新鋭対決で、津幡町出身の大の里(二所ノ関部屋)が痛恨の黒星を喫した。大相撲春場所10日目の19日、大の里は全勝で首位に立つ尊富士(たけるふじ)に押し出されて2敗となり、優勝レースから一歩後退。大一番を前に集中力が欠けていたとし「そんきょの時点で相手ペースだった。最低な相撲だった」と反省しきりだった。
ざんばら髪の23歳と、まだ大銀杏(おおいちょう)を結えない24歳の注目の一番は、予想外の一方的な内容になった。
大の里は尊富士に立ち合いから左を差され、下がりながら右上手投げを狙ったが、そのまま押し出された。
優勝争いは、全勝の尊富士を2敗の大の里と琴ノ若が追う展開に。終盤戦に向けて大の里は「強い人とやる残り5日間は大事になる」と話した。
11日目は結びの一番で大関貴景勝との対戦が決まり、「いかに何も考えずにやれるかだ」と気持ちを切り替えた。
●「残念だ」遠藤負け越し
東前頭16枚目の遠藤は同7枚目の金峰山に寄り切られ、3場所連続で負け越した。金峰山を攻めあぐねて惜敗し「勝たないとね。残念だ」と一言。幕内残留へ厳しい終盤戦となり「変わらず精いっぱいやる。落ち込んでもしょうがない」と話した。
●十両・欧勝海5勝目
東十両11枚目の欧勝海は西十両8枚目の獅司を寄り切って5勝目を手にした。大柄な相手をつり上げ、力強く寄り切った。星を五分に戻し「勝とうと思い過ぎず、自然体でいけた。続けていきたい」と終盤を見据えた。
東十両4枚目の輝は西前頭14枚目の北の若にはたき込まれて7敗目。「中に入るのが遅かった」と悔しがった。
西前頭筆頭の朝乃山(富山市出身、高砂部屋)は同2枚目の明生を上手投げで破って5勝目を挙げた。「立ち合いは良かった。その後が全部悪い。受ける形になった」と反省しきりだった。