らせん水車、映像で紹介 チューリップ公園 砺波で開発、全国に普及 歴史、仕組み分かりやすく

リニューアルした螺旋水車小屋の解説パネル=砺波市の砺波チューリップ公園

 大正期に砺波で開発された「らせん水車」を広くPRしようと、砺波市は19日までに、砺波チューリップ公園にある水車苑の螺旋(らせん)水車小屋の掲示案内をリニューアルした。用水の流れを農業に利用してきた歴史や仕組みなどを動画で分かりやすく紹介。4月23日に開幕するとなみチューリップフェア(富山新聞社後援)に向け、来園者に砺波の観光資源の魅力を見やすく伝える。

 新たな掲示案内は、螺旋水車小屋の壁面に新たに解説パネルを設置し、スマートフォンやタブレット端末でQRコードを読み取ると、足踏み脱穀機や、らせん水車など、昭和20年代ごろまで活躍していた当時の様子を映像で分かりやすく伝える。

 フェア期間中に螺旋水車小屋を開放し、ボランティアで案内を行っている市教職員旧友会などと、掲示内容を協議した上で、16日に新たな解説パネルを設置した。

 らせん水車は、水力を動力とする機械で砺波郡南般若村秋元(現砺波市秋元)の元井豊蔵が大正期に考案した。持ち運びができ、水位の高低差が少ない場所でも効果を発揮できる設備として全国に広がり、農業の貴重な戦力となったことで知られる。園内の水車苑にはらせん水車のほか、国内唯一で最大の五連揚水水車などがある。

 水車苑ではこれまで、市教職員旧友会などが手作りで掲示物を設置したが、経年劣化が進み、色あせして文字が読みにくい状態となっていた。さらに施設が開放されるフェア期間中以外でも、通年で案内できる仕組みとしてQRコードを取り込んだ掲示案内に一新した。

 園内では県のとやまビュースポイントに指定されているチューリップタワー展望広場で、県がQRコードを読み込む案内板をフェアまでに修繕する予定で、市はフェアに向けて「公園の魅力向上につなげたい」(都市整備課)としている。

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