イワナ、焼き芋で勝負 南砺・矢倉さん 本業の刺繍加工、注文減 味改良重ね持ち帰りも

イワナの塩焼き、焼き芋専門店の開設準備を進める矢倉さん=南砺市安居

 南砺市安居の刺繍(ししゅう)加工業矢倉芳章さん(66)が、会社前に地元産のイワナの塩焼きや焼き芋の店を開設した。本業の注文が下火となり、3年前から道の駅福光や道の駅高岡でテント販売を続け、味の改良を重ねた。イワナ専門店の看板を掲げた矢倉さんは「持ち帰りの店として地元での定着を目指したい」と意欲を見せている。

 矢倉さんは、プロスポーツチームやバンドのリストバンド、コロナ下ではマスクを製造、販売してきた。コロナ後もドライブスルー方式の料理の需要が高いことに着目し、利賀村産のイワナや立野原産のサツマイモを仕入れ、イワナの塩焼きや焼き芋を販売することにした。

 矢倉さんはスーパーの食品売り場で基本を学び、イワナの炭火焼きやガスと遠赤外線でサツマイモを焼く機器を購入し、道の駅高岡などでの販売を通じて客の声を聞きながら工夫を重ねた。イワナは90分掛けて表面から中までふっくらと焼き、サツマイモは「紅はるか」や「シルクスイート」を使用し、皮はこんがり、身はしっとりと甘く焼くこつをつかんだ。1個300円の焼き芋は多い日で1日200個、1本600円のイワナは50本が売れる。

 2、3日に矢倉さんの会社「テクノ・ワーク」事務所前で試験販売した。開業記念の今月は20、23、24日、4月13、14日、26~30日に販売する。

© 株式会社北國新聞社