強盗殺人容疑の女、借金返済滞りネットに個人情報流出 ホスト遊びで困窮か 琵琶湖遺体

近江八幡署

 滋賀県近江八幡市の琵琶湖岸で愛知県の男性の遺体が見つかった事件で、強盗殺人などの疑いで再逮捕された同県北名古屋市の風俗店店員市橋由衣容疑者(27)が、借金返済が滞ったことでインターネット上に個人情報が流出する状況に陥っていたことが、19日分かった。滋賀県警捜査本部(近江八幡署)は、同容疑者がホストクラブの遊興費を得るために借金を重ねて困窮したことが事件の背景にあると見ている。

 大津地検は同日、市橋容疑者と愛知県豊川市の会社員加藤徹容疑者(45)を強盗殺人や死体遺棄などの罪で追起訴した。

 市橋被告は現金などを借りたまま返さない「借りパク」をした人物として、ネット上に顔写真や個人情報がさらされていた。

 市橋被告が勤務したことがある名古屋市内の風俗店の関係者によると、同被告は数年前から店を転々としながら風俗店で働き、勤務先ではホスト通いを公言していた、という。この関係者は、風俗業の女性がホストクラブに通うケースは多いとし「出勤が長い人はホスト絡みが多い」と話す。

 市橋被告に200万円以上貸していた男性の説明では、事件発生の数時間前、同被告から「(借金を)返したいから助けて欲しい」と切迫した様子で金を無心するLINE(ライン)メッセージが送られてきた、という。

 起訴状によると、両被告は共謀して1月15日、愛知県あま市の不動産業丹羽正美さん=当時(55)=の自宅に侵入してキャッシュカードなどを盗み、帰宅した丹羽さんが「助けて、泥棒」と叫んで屋外に逃げようとしたため、加藤被告がひもで丹羽さんの首を絞め、さらに2人で延長コードで絞めて殺害。翌16日、加藤被告が車で遺体を近江八幡市牧町の琵琶湖岸に運び遺棄したとしている。

 両被告は丹羽さんの会社の口座から50万円を引き出した窃盗罪でも起訴され、さらに350万円を引き出した窃盗容疑で追送検されている。

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