「COOL CHOICE 川柳コンテスト」 最優秀賞は「皮むけば 訳あり野菜も 同じ味」

 山口市は、環境省が地球温暖化対策のために推進している国民運動「COOL CHOICE(クールチョイス)」の普及促進を図るため、「COOL CHOICE 川柳コンテスト」を開催した。

 

 募集は昨年10月から11月にかけて実施、290点が寄せられた。1次審査でまず20点が選出。次に今年1月、20点のうち「共感する川柳」を市民に投票してもらった。その結果も踏まえ、審査員によって16点が入賞作品に選ばれた。

 

 最優秀賞に輝いたのは、祥雪さんの「皮むけば訳あり野菜も同じ味」。市民からは「環境にも地産地消にも節約にも三方よしで、誰でも取り組みやすいテーマだと思う」、審査員からは「中身は変わらないのに規格外のものを廃棄する、そんな多くの人が気づきつつある問題を解りやすい言葉で十七音にまとめて、改めてハッとさせることに成功している。『皮むけば』という具体的な動作で、表面的なものにこだわるよりも、本質にこそ目を向けるべきだということを示して、多くの共感を得た」と評された。

 

 優秀賞は、「廃材をおもちゃに変える0歳児」(なぎちゃんママさん)、「ケチじゃない家計と環境守ってる」(ぷにぷにもふもふさん)、「のこりものくふう次第ですぐれもの」(宮本諒星さん)、「ガソリンを使うかわりに足使う」(やんとくんさん)の4句で、「チャリ通でチャリンと今日もエコ貯金」(まあことさん)が審査員特別賞に選ばれた。

 

 そして佳作は、「ミーちゃんで暖を取ろうと猫なで声」(塩見浩さん)、「燃やすならお腹の脂肪歩こうね」(黙思亭不語さん)、「歩こうかいつも車で行くお店」(しょうごさん)、「LEDと延命競ううちの婆」(きみばあちゃんさん)、「大根の皮の栄養星五つ」(えりこさん)、「孫と漕ぐ自転車50年ぶりの風」(キュアメタボさん)、「夏薄着冬着ぶくれて四季日本(よきにほん)」(ネアンデルちゃんさん)、「エコのことタイムマシンで教えたい」(ひつじぃさん)、「子どもたちうさぎりんごで皮も食べ」(のんママさん)、「雨水をためて打ち水とんぼ来る」(ぷうた郎さん)の10句だ。

 

 審査員を務めたのは、杉山久子さん(俳人)、横溝洋一郎さん(フリーアナウンサー)、今村主税さん(温暖化とめるっちゃネットワークやまぐち代表)と同市環境政策課。「より自分の身近なところから発想した、軽やかでクスリと笑えるものが多かったという印象。日々の暮らしの中で、小さくとも着実に実践できる提案が多く見られた。それらは、特別な我慢を強いられたりするマイナス思考のものではなく、ささやかな楽しみも見いだしながら、環境にも優しい暮らしの追求に繋がるプラス思考のものばかり。中心商店街での候補作品のお披露目と作品への投票を通じて、更に楽しく環境問題を考える機会が広がったのではないか」と総評した。

 

 「COOL CHOICE」とは、温室効果ガス排出量削減のために、脱炭素社会づくりに貢献する「製品の買い換え」「サービスの利用」「ライフスタイルの選択」など、家庭や職場における日々の生活の中で、あらゆる「賢い選択」をしていこうというもの。山口市が独自に定める11の「賢い選択」は、①宅配便は1回で受け取ろう②省エネ機器に買い換えよう③公共交通機関を利用しよう④自転車を利用しよう⑤エコドライブしよう⑥クールビズ・クールシェアしよう⑦ウォームビズ・ウォームシェアしよう⑧ワンウェイプラスチックを無くそう⑨エシカル消費をしよう⑩地産地消しよう⑪旬の食材を残さず食べよう、といった取り組みだ。

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