能登半島地震の影響で富山県氷見市から福島県に会場を移して23日に開幕する第19回春の全国中学生ハンドボール選手権大会(春中ハンド)に、富山県代表として男女の氷見西條が出場する。地震でチームに動揺が走り、遠征が中止になるなど影響はあったが、選手たちは「優勝して氷見に元気を届けたい」と気合を入れている。
男子は「守って速攻」が持ち味で、冬場は守備の強化に力を入れた。昨年の大会を経験した選手が多いのも強みで、攻撃の軸を担う大浦智也(2年)は「チームの調子は上がっている。大会では得意のロングシュートで得点を入れる」と自信を見せる。
女子は積極的な守備からリズムをつくり、どのポジションからも点が取れる。「冬場はパスやシュートのミスを減らすため、基礎練習に力を入れてきた」と大道隆也監督。体幹トレーニングやランニングなどを通じたフィジカル面の強化に手応えをのぞかせる。
元日の地震で1週間ほど練習ができず、その間に予定していた三重県への遠征も中止に。余震の懸念などから大会会場が変更となり、長距離の移動や慣れない環境に適応できるか不安要素もあるが、男子の大嶋賢監督は「大会が中止になる可能性も考えていた。中学生のレベルアップにつながる大会を開催していただけることだけで、ありがたい」と感謝する。
競技は24日から始まり、男子は初戦でSGHC(兵庫)、女子は十勝合同(北海道)と戦う。これまでの大会で選手の後押しになっていた地元の大声援はないものの、女子主将の三箇唯愛(いちか)(2年)は「氷見の人のためにいい結果を出したい」、男子主将の井上拓己(同)は「優勝して、地震の被災者を勇気づけたい」とそれぞれ活躍を誓う。