「もうここで会うことは、ありませんから・・・」約150年の歴史をもつ小学校 閉校で消える“朝の声”【なくなる学校の音①】静岡・島田市

シリーズでお伝えする「なくなる学校の音」。子どもが少なくなり、静岡県内でも多くの学び舎がその役目を終える中、約150年の歴史をもつ島田市の伊太小学校も3月で閉校します。学校が地域からなくなるとはどういうことなのか。4月から聞けなくなってしまう「音」から考えます。

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<伊太小学校 畠山沙南教諭>
「あと3日間、5年生として最後、思い出をつくってください」
<児童>
「はい」

静岡県の島田市立伊太小学校。近隣の学校との統合が決まり、2024年春、約150年の歴史に幕を下ろします。全校児童49人が最後の1年間を過ごしてきました。

<伊太小学校1年生 大石海都さん>
Q.誰に書いているの?
「小澤さん」「小澤さんへ。いつもみんなを見守ってくれてありがとうございました。僕は小澤さんのあいさつで元気に学校に行けています」

<朝の様子>
「おはよう」

交通指導員の小澤千里さん。10年間、子どもたちの登校を見守ってきました。

<交通指導員 小澤千里さん(76)>
「1年生から見てるもんね、おじさんが。6年間。この子は野球やってますよ」
「おはよう、おはよう」
「さみしいだけです。もうここでは会うことは、ありませんからね」

4月からは、この風景もなくなります。

<交通指導員 小澤千里さん(76)>
「子どもたちに頂いたお礼の手紙です。寒くても暑くても雨が降っていてもいつも温かく見守ってくださりありがとうございます。(交通指導を)何回かやめようと思った事がある。辛くて、毎朝ですからね。頂いた過去の手紙を読み返してみると、うれしさと温かい言葉で書かれている気持ちがね、忘れられなくて、また頑張らなきゃって」

<小澤さんと児童>
「おはよう」「おはよう」

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