いわき沖で新種ヒトデ 国内104年ぶり発見、アクアマリンふくしま

新種のヒトデ「サザレスナヒトデ」(腕2本は欠損)=アクアマリンふくしま提供

 福島県いわき市のアクアマリンふくしまは19日、3年前にいわき沖で採取された新種のヒトデが「サザレスナヒトデ(標準和名)」と公表されたと発表した。スナヒトデ属の新種が日本で発見されるのは104年ぶり。5日、海洋生物を扱う国際専門誌に投稿される形で公表された。

 2021年3月の県水産海洋研究センター、調査指導船「いわき丸」のトロール調査に同館職員が同船、水深175メートルで1個体のスナヒトデ属の未記載種を採取した。その後の東京大大学院理学系研究科付属臨海実験所学術専門職員の小林格博士と国立科学博物館の藤田敏彦博士らの共同研究で新種とされた。

 小林博士によると、スナヒトデ属は世界各地の熱帯~温帯の砂底に生息し、48種が知られている。今回の新種の生態は今後の研究で明らかにしたい考え。

 サザレスナヒトデの腕は5本。体表に多数のはさみのようなトゲ(叉棘(さきょく))が不均一にちりばめられているのが特徴で、それがさざれ石のように見えることが和名の由縁。学名はいわき沖からの発見にちなみ、Luidia iwakiensisとした。

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