そろそろバトンタッチ!じつは地域ごとに違う「スギ花粉の次」に備えるコツを気象予報士が解説

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各地でスギ花粉の飛散ピークが終わりに近づき、少しホッとする人も出てくるこの時期。

「スギの後に来る花粉ってヒノキのことでしょ?」「私、スギは酷いけどヒノキは平気なのよね」といった声が聞こえてきそうですが、ちょっと待って。

これからの時期の花粉は、地域差が大きいのが特徴。

今回は、気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、「スギの次」に備えるコツを教えてもらいます。

「地域差」が激しいヒノキ花粉

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スギもヒノキも、高度経済成長期に大量の木材が必要とされた際、まっすぐ育って建材に使いやすいためさかんに植樹されましたが、その分布にはかなり違いがあります。

ほぼ全国的にまんべんなく分布するスギと違い、ヒノキは西日本が中心。
じつはヒノキは、北日本(北海道・東北)や北陸にはほとんど植えられていません。
これは、ヒノキがスギと比べて寒さに弱いためです。

そのため、ヒノキ花粉症の人でも北日本や北陸に住んでいる間はさほど症状が出ないまますごすことになりますが、西日本に引っ越したり旅行したりすることで、急にヒノキ花粉がつらくなることも。

さらには、西日本に引っ越したあと何年間かヒノキ花粉を吸い続けることによって新たにヒノキ花粉症になる、というパターンもあるのです。

北海道ではシラカバ花粉に備えを

スギ花粉やヒノキ花粉の飛散傾向や予測は全国放送のニュースでもさかんに扱われますが、シラカバ花粉の話題はローカルニュースでしか流れず、存在自体を知らない人も多いと思います。

本州以南ではシラカバが生えている場所は少ないので、自身のシラカバ花粉症に気づかないまま、大型連休に北海道旅行をしたら酷いくしゃみと鼻水に悩まされる…なんてことも。

例年、シラカバ花粉の飛散時期は大型連休とかぶるため要注意です。

50種類を超える「花粉症」

花粉症を引き起こす植物の種類は、日本国内で報告されているものだけでも50種を超えます。

そして、自分が何の花粉に対してアレルギー反応を持っているかによって、いつ・どこで対策をすべきかが変わってくるのです。

花粉症対策をしているはずなのに、なかなか楽にならない…そんなときは一度病院で検査を受けて、自分のアレルギーを調べてみるのもおすすめです。

■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。

編集/サンキュ!編集部

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