日銀マイナス金利解除「17年ぶり利上げ」 栃木県内への影響「住宅ローン変動金利が上昇する可能性」

とちぎテレビ

日銀は19日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の柱であるマイナス金利政策の解除を決めました。2007年以来17年ぶりの利上げとなり、日銀はおよそ11年に及ぶ大規模緩和の正常化を始めます。

日銀はマイナス金利政策の解除に加え、長期金利を低く抑えるための長短金利操作も撤廃して、短期金利を0%から0.1%程度に誘導する事実上のゼロ金利政策に移行します。今年の春闘の平均賃上げ率が高い水準となり、賃金と物価がそろって上がる経済の好循環が実現すると判断したもので、日本の金融政策は歴史的な転換点を迎えました。ただ、マイナス金利を解除した後も急速な利上げはせず、緩和的な金融環境を維持する方針です。

記者会見した植田和男総裁は、賃金の上昇を伴う形で物価上昇率を2%に安定させる目標について「実現してくことが見通せる状況に至ったと判断した」と述べました。その上で、大規模な金融緩和対策は「その役割を果たしたと考えている」と語り、「預金金利や住宅ローンの貸し出し金利が大幅に上昇するとはみてない」という認識を示しています。

あしぎん総合研究所によりますと、マイナス金利政策の解除により、栃木県内への影響として住宅ローンの変動金利が上昇する可能性などあるということです。

また、円安の要因になっている日米の金利差が縮まることで円高に振れた場合、原材料やエネルギーなど輸入品の価格が下がり、メリットを受ける企業もあるということです。

ただ、物価変動を加味した実質賃金は、今年1月まで22カ月連続でのマイナスで国民の生活感は上向いておらず、地域経済や中小企業も景気改善の実感に乏しいのが現状です。

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