かりゆし58・前川真悟さん「学校のルールの中で自由を見いだせたらいいなと」 新中学校の校歌を作詞して編み出した造語とは

 4月開校の沖縄県豊見城市立豊崎中学校の校歌が完成し、作詞作曲を手がけた「かりゆし58」ボーカルの前川真悟さんや音楽家の前濱吉郎さんが7日、市立伊良波中学校で披露した。地域の風景や歴史、未来に進む若者の姿を琉球音階を取り入れたメロディーに乗せて描いている。前川さんは生徒に「かわいがってください」と呼びかけた。(南部報道部・榮門琴音)

 披露を前に市役所で完成会見が開かれ、前川さんは歌詞に「八重雲」や「虹の橋立」「翁長嶺」といった造語を取り入れたと説明。「学校のルールの中で自由を見いだせたらいいなと思い、歌詞の中に自由を入れた」と語った。

 作曲を手がけた前濱さんは「言霊を元気いっぱい歌える旋律を意識した。大人になって郷愁に駆られたとき、心に残る歌として自分を鼓舞するようなイメージで作った」と紹介。前川さんは「沖縄民謡を聴く機会が少ない子どもたちに、琉球音階に触れる体験をしてほしい」と狙いを語った。

 校歌の制作では、前川さんが豊崎中に通う予定の生徒や保護者、地域住民と交流し、歌詞に取り入れたい言葉を聞き取りした。

 豊崎中に移る伊良波中2年の伊禮愉来(ゆら)さん(14)は「歌いやすくて好きになれそう」、神田愛菜さん(14)は「歌詞の一つ一つに意味が込められていていいなと思った。2年間の思い出がある伊良波のことも含まれていて良かった」と話した。

完成した豊崎中学校の校歌を生徒に披露する前川真悟さん(右)=7日、豊見城市・伊良波中学校
豊崎中学校の校歌に込めた思いを語った前川真悟さん(前列中央)と前濱吉郎さん(同左)=7日、豊見城市役所

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