新NISAを始める前に知っておきたい!投資信託のさまざまな運用スタイル

(※写真はイメージです/PIXTA)

初めて投資信託を始める際、いったいどんなことを知っておけばいいのでしょうか? 経済アナリストの森永康平氏による著書『新NISA対応版 いちばんカンタンつみたて投資の教科書』には、初心者向けの投資信託の選び方がまとめられています。はじめに、投資信託の運用スタイルについてみていきましょう。

安定運用か積極運用か?

投資信託には、大きく分けて2つの運用スタイルがあります。「パッシブ運用」と「アクティブ運用」です。

このうち、パッシブ運用とは消極的(受動的)な運用という意味で、市場全体の動きと連動するように運用する手法のことを指します。

運用目標とされるベンチマーク、国内株式型の場合であれば日経平均株価などに連動する運用成果を目指すタイプです。なお、こうしたインデックス(指数)と連動するパッシブ運用のファンドはインデックスファンドと呼ばれることもあります。

一方、アクティブ運用とは、積極的な運用という意味で、ベンチマークとする株価指数を上回る運用成果を目指すタイプです。

運用担当者であるファンドマネージャーが、投資信託ごとに決められた一定の運用方針に基づき、アクティブに銘柄の入れ替えや売買を繰り返し、高い収益を狙っていきます。

パッシブとアクティブの特徴

両者の主な特徴を比較してみましょう。まず、投資信託の中に入っている銘柄からです。

パッシブ運用の場合、たとえば後述するTOPIX(東証株価指数)に連動するインデックスファンドなら、TOPIXの銘柄とほぼ同じ銘柄が入っています。

その分、たくさん銘柄が入っているので、1つひとつの銘柄の影響度合いは小さくなります。また目標とする指数と「同じよう」な動きをすることを目指して運用しますので、「市場平均と同じリターン」を目的とする運用方法だと言えるでしょう。

一方で、アクティブ運用はと言うと、運用会社の哲学や基準に基づいて設定された投資信託の“個性”に基づいた銘柄が入っています。したがって、入っている銘柄数も種類も商品によってばらばらです。

その上で、運用は目標とする株価指数を「上回る」成果を目指します。そのため運用担当者はエコノミストによる経済の分析や、アナリストによる企業業績の分析を参考にして、大きな値上がりが期待できそうな銘柄を選んで積極的に投資します。

オープン型はいつでも売買できる

これまで見てきた2つの運用スタイル以外にも、投資信託にはいくつかの種類があります。投資信託には、決められた期間でしか買えない「単位型投資信託」と、時間を問わずいつでも買える「追加型投資信託」とがあり、それぞれ「ユニット型」「オープン型」と呼ばれています。

現在販売されている投資信託の約9割はオープン(追加)型です。ユニット(単位)型は、運用を開始してから終了するまでの信託期間が2〜5年で設定、募集期間が定められており、運用期間中は解約できないタイプ(クローズ型)もあります。

オープン型は、信託期間が5年〜10年と期間が区切られているものと、無期限のものがあります。信託期間中はいつでも購入や解約ができます。

つみたて投資を始める方は、中長期の運用が基本ですから、信託期間が10年以上の商品を選ぶといいでしょう。

名前で商品の概要がわかる?

また、投資信託の種類は名前を見ればある程度わかるようになっています。というのも、投資信託の名前には法則があるからです。

「運用会社名(ブランド名)」+「投資対象(国や地域、株か債券かなど)」+「運用スタイル(インデックスかアクティブか)」ときて、最後に「ファンド」か「オープン(追加型の意味)」という順番です。

時折、その後に、分配金の受け取り方法などがくっつくこともあります。具体的な例を挙げるならば、

楽天・全米株式・インデックスファンド

三菱UFJ日本株アクティブ・ファンド

ニッセイSDGsグローバルセレクトファンド(年2回決算型・為替ヘッジあり)

などがあります。どのような内容の投資信託なのか、まずは名前でチェックしてみて

もいいでしょう。

森永 康平

金融教育ベンチャーの株式会社マネネCEO/経済アナリスト

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