弥生時代の若者はこんな顔…出土した頭蓋骨から復元 女性と思っていたら…10代前半とみられる男性だった DNA分析で判明

鳥取県は、鳥取市の青谷上寺地遺跡で出土した弥生時代の女性のものと思われる頭蓋骨をもとに、顔の復元に取り組んでいましたが、DNA分析の結果、この頭蓋骨が若い男性のものであることが分かりました。
20日に行われた「青谷かみじち史跡公園」の内覧会では、復元した顔がお披露目されました。

復元されたのは、弥生時代の10代前半とみられる男性の顔です。

青谷上寺地遺跡は、弥生時代の大規模な集落跡で国の史跡に指定されていて、鳥取県は2021年、遺跡から出土した頭蓋骨などをもとに弥生時代の男性の顔を復元。
その後、「青谷上寺朗(あおやかみじろう)」の愛称がつけられ、現代人のそっくりさんグランプリが開かれるなど話題となりました。

そして県は、第2弾として、2022年から弥生時代の女性の顔の復元にも着手。形状から女性のものとみられる頭蓋骨を、国立科学博物館と共同でDNA分析してきました。

分析の結果、髪は太く目の虹彩の色は黒など、復元に必要な様々なことが判明していきましたが、去年末、関係者を驚愕させる事実が明らかに…

なんと、男性だけが持つY染色体が確認されたのです。
これには県の担当者もびっくり。若年のため、まだ男性的な特徴が骨格に現れていなかったと考えられるということです。

顔の復元については専門の業者が進めていましたが、頭蓋骨に肉付けしていく複顔では、性別が変わることは特に問題ではなく、男性と分かったことで、目元や口元の表現を男性っぽく変えるなどしたということです。

「青谷かみじち史跡公園」は、公園のほか、ガイダンス棟と重要文化財棟からなる展示施設があり、3月24日にオープンします。

20日は内覧会が開かれ、平井伸治知事などが出席して、新たな弥生人の複顔像の除幕式が開かれました。

県の担当者は「若い男性の顔が復元されたのも貴重だが、やはり女性の顔も復元したい。来年度の制作を検討中」と話しています。

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