米大リーグが史上初めて韓国で開幕する意味―台湾メディア

20日、台湾メディア・聯合新聞網は、米大リーグのレギュラーシーズンが史上初めて韓国で開幕する意味について解説する記事を掲載した。

2024年3月20日、台湾メディア・聯合新聞網は、米大リーグのレギュラーシーズンが史上初めて韓国で開幕する意味について解説する記事を掲載した。

記事は、今季の大リーグが20、21日にソウルで行われるロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスの2連戦で開幕すると紹介。韓国で公式戦が行われるのは大リーグ史上初めてであり、これまで日本をアジアのパートナーと位置づけてきた大リーグがアジア地域へのさらなる浸透を拡大したいという野心の表れであるとともに、韓国野球界がスタジアムの水準、国際的な知名度、選手の実力で日本に近づきつつあることを示すものだと伝えた。

そして、韓国の野球が台湾と似たような発展の経緯をたどっているとし、韓国社会に野球が本格的に根付いたのは日本統治時代の1910年代だったとしたほか、戦後の野球の発展も台湾同様に国内の政治状況と連動していたと説明。韓国プロ野球の誕生は80年代の民主化運動と直接関係しており、全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領(当時)が独裁政権を敷く上で国民の不満をそらすためにプロ野球やその他の大衆娯楽を利用した結果だと紹介した。

また、韓国の野球は、日米両国から影響を受けながら、韓国独自の文化的、政治的背景と結びついて、今日の姿になったと指摘。日本に対する対抗意識は特に強く、2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシックで日本に勝利した韓国代表がマウンドに国旗を立てて物議を醸すなど、国際大会ではしばしば日韓間の対抗が話題になってきたとした。さらに、1990年代以降は大リーグが日韓の有望選手を積極的に発掘するようになり、今では大リーグで活躍する自国選手を巡る競争も日韓間で起きていると伝えた。

記事は、米国では大リーグに所属する日本人選手はなじみがあるものの、日本のプロ野球は中継がないためにあまり知られていないと紹介する一方、韓国のプロ野球は新型コロナの感染拡大であらゆるスポーツの試合が中止となった2020年に、米スポーツメディアESPNが韓国プロ野球の放送権を買い取ってシーズン終了まで週6試合放送し続けたことで注目を集めたと指摘。米国の視聴者は試合もさることながら、中継を通じて韓国の野球文化、野球に関連するイベント、応援スタイルなどに興味を持ったとし、今回韓国で開かれる大リーグ開幕シリーズは米国のファンにとって「4年前に毎朝早く起きて野球を見た記憶」の再現であるとともに、韓国の野球文化についてさらに深く理解するためのチャンスになるとの見方を示した。(翻訳・編集/川尻)

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