【高松宮記念】ルガル&ソーダズリングら4歳世代は本当に低レベル? 近5世代成績を比べてみた

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現4歳世代は本当に弱い?

現4歳世代のレベルが低いと言われて久しい。昨年の有馬記念では日本ダービー馬のタスティエーラが6着、皐月賞馬のソールオリエンスが8着に敗退。先月のフェブラリーSでも1番人気のオメガギネスが14着に沈んだように、大舞台での成績はイマイチに思える。一方で今週の高松宮記念ではルガルやソーダズリングなど4歳勢が人気を集めそう。ならば、このタイミングで「現4歳世代は本当に弱いのか?」を検証してみよう。

まずは近5世代を対象に、古馬混合の国内平地GⅠ&GⅡにおける4歳3月までの成績をチェックしたい。

<4歳3月までの古馬混合平地GⅠ、GⅡ 世代別成績>
現8歳世代【7-7-6-42】勝率11.3%/複勝率32.3%/単回率31%/複回率76%
現7歳世代【6-6-2-34】勝率12.5%/複勝率29.2%/単回率64%/複回率71%
現6歳世代【10-5-7-34】勝率17.9%/複勝率39.3%/単回率63%/複回率84%
現5歳世代【6-9-6-43】勝率9.4%/複勝率32.8%/単回率34%/複回率95%
現4歳世代【2-6-3-47】勝率3.4%/複勝率19.0%/単回率34%/複回率53%

皆さんも薄々予想していたかもしれないが、それにしても……という感じではないか。近5世代の中で現4歳世代は勝利数、勝率、複勝率とぶっちぎりのワースト。回収率も低く、かなり手を出しづらい数字となっている。ちなみに2勝は毎日王冠のエルトンバローズとエリザベス女王杯のブレイディヴェーグだから、ともに昨年。今年に限れば【0-4-1-23】と未勝利だ。1番人気が5頭、2番人気が2頭、3番人気が3頭も含まれていながら1頭も勝利に手が届いていないのは異常事態だ。

高松宮記念にはシャンパンカラー、ソーダズリング、ビッグシーザー、モズメイメイ、ルガル、さらに除外対象のアサカラキングと6頭の4歳馬がエントリーしている。中でも有力視されているのはソーダズリングとルガルの2頭だ。前者は京都牝馬S、後者はシルクロードSで年長馬を一蹴。それだけに世代間のレベル差は気にならないという声もあるだろう。ただ、古馬GⅢなら頑張るのが今年の4歳世代で【10-5-5-56】勝率13.2%、複勝率26.3%。それでいてGⅠやGⅡでは年長馬の厚い壁に跳ね返されているので、この2頭も過大評価は危険ではないか。

そうでなくても、近年の高松宮記念は4歳馬が苦戦傾向にある。勝ったのは19年のミスターメロディが最後。その後は20年グランアレグリア(繰り上がり)、21年のレシステンシア、昨年のナムラクレアの2着が最高だ。さぁ、果たして今年は5年ぶりに4歳馬が制するのか。いずれにしても、この6頭の取捨が馬券のカギを握ることは間違いない。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。



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