テラドローン、米UTMサービス企業「Aloft Technologies」に出資。EUに次いで、米国市場にも参入

今後テラドローンは、アロフトとの協業を通じ、ドローンや空飛ぶクルマの世界最大市場とされる米国に参入するという。

またアロフト及び2023年7月に子会社化したUTMプロバイダーのリーディングカンパニーであるベルギーのUnifly(以下 ユニフライ)とともに、グローバルにおけるUTM業界の発展に貢献していくとしている。

ドローンや空飛ぶクルマの米国市場について

米国では日本と比べて、ドローンは約2.4倍、有人機は約62倍の機体数が登録されている。また多くの米国企業がドローンや空飛ぶクルマの開発や利活用のための開発を進めており、今後、ドローンや空飛ぶクルマといった次世代エアモビリティの領域においても最大市場になり得るとされる。

出資背景

アロフトは、民間航空機や宇宙機器メーカーBoeingのコーポレート・ベンチャー・キャピタルやアメリカ最大級の保険会社のTravelers Insuranceなどからも出資を受けている、2015年に設立されたUTMを提供するスタートアップ企業だ。

米連邦航空局(以下 FAA)認定のUASサービスの大手サプライヤーで、2018年にFAAが実装した米国のUTMにあたるLow Altitude Authorization and Notification Capability (LAANC)で84%以上のシェアを獲得し、米国UTM業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立しているという。

また、クラウド上でのドローンのフリート管理システムの提供も実施しており、機体やパイロットの情報を一元管理することが可能だ。アロフトのソリューションを導入することで、飛行前から飛行後までのワークフローを効率的に管理できるほか、機体や資産の管理、飛行計画、安全な飛行制御、リアルタイムのライブビデオ共有や双方向音声コミュニケーションができる。

こうした多彩な機能により、ドローン運用を効率化し、安全性とコンプライアンスを確保します。アロフトのソリューションは、石油・ガス、電力、鉱業、保険、建設、メディアなど、様々な業界の企業、政府関連機関から個人のドローンパイロットまで幅広く利用されている。また、セキュリティの認証規格であるSOC2 Type2及びISO 27001を取得している。

さらに、アロフトのUTMを通じて、これまでに全米で100万件以上のドローン飛行のための飛行承認申請が実施された。テラドローンは、アロフトのこうした実績を評価し、今回の出資を決定したという。

今後について

テラドローンは、アロフトとの連携を通じて、米国市場でのUTM事業を拡大していくとともに、グローバルにおいてアロフトが持つ特許取得済みの技術を基にしたUTMやフリート管理の技術の横展開も検討し、グループの事業成長に繋げていく方針だ。

また、同様にUTM事業を展開する子会社のユニフライも含めて連携を強化し、UTM産業全体の成長に寄与していくとしている。

各社代表コメント

Aloft Technologies,Inc. 創業者兼CEO:Jon Hegranes氏

UTMの統合は、グローバルにおけるドローン運用の拡大や拡張性、持続可能性にとって極めて重要です。今回の出資によりテラドローンと協業することで、今後のUTMのイノベーションの最前線に立ち、標準化を促し、両社の持つ技術を活用することで、グローバル規模でドローンの効率性や拡張性を向上させるまたとない機会となることを確信しています。

Terra Drone株式会社 代表取締役社長:徳重徹氏

私たちの目標は、ドローンや空飛ぶクルマが日常生活で安全に活用される未来を実現することです。これを実現するためには、UTMの実装と運用が欠かせません。2016年のドローン黎明期からこのUTMに注目しており、この分野の先駆者であるUniflyへの出資を開始してから既に8年が経ちました。ドローンや空飛ぶクルマが発展に向けた新たな段階へと進む今、私たちはUTMの推進により一層注力していくべきだと確信しています。特に、市場規模が最も大きいとされる米国への積極的な進出を計画しています。このたび、米国市場をリードするAloftに出資し、筆頭株主となることで、米国を起点にUTMのさらなる発展に寄与していく所存です。

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