英CPI、2月前年比+3.4%に鈍化 6月利下げ観測高まる

[ロンドン 20日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が20日発表した2月の消費者物価指数(CPI)上昇率はエコノミストやイングランド銀行(英中央銀行)の予想以上に減速した。市場では英中銀の6月利下げ観測が高まった。

中銀は21日に金融政策を発表する。市場は政策金利の据え置きを予想している。

2月のCPIは前年比上昇率が3.4%で1月の4.0%から鈍化し2021年9月以来の低水準となった。ロイターがまとめたエコノミストの予想3.5%を下回った。

食品や外食価格が最大の押し下げ要因だった。

変動の激しい食品、エネルギー、アルコール、たばこを除くコアインフレ率も4.5%と、1月の5.1%から鈍化した。エコノミストの予想は4.6%だった。

中銀が注視しているサービス価格上昇率は、6.5%から6.1%に減速した。

<6月利下げ観測>

金利先物市場では6月に政策金利を5.25%から5.0%に0.25%ポイント引き下げられる確率が約58%から約63%に上昇した。

インベステックのエコノミスト、エリー・ヘンダーソン氏は「きょうのデータでもわれわれの見解は変わっていない。英中銀は年内の利下げを想定しているものの、利下げのハードルをまだ越えられていないというメッセージを発するだろう」と述べた。

ハント財務相は、統計は成長押し上げなどの目標に向けてさらに前進できる、経済回復への道筋を示すと述べた。

© ロイター