錦織圭、マイアミでの復帰戦を直前に控え心境を明かす!「十分試合はできるようになってきている」<SMASH>

男子テニスのマスターズ1000大会「マイアミ・オープン」(3月20日~31日/アメリカ・マイアミ/ハードコート)での復帰戦を直前に控えた錦織圭が、WOWOWのインタビューに応じた。ここでは、現在の心境や、復活への青写真など語った錦織のインタビュー内容を紹介しよう。

昨年6月、股関節負傷による1年8カ月の長期欠場からカムバックを果たし、ATPチャレンジャーいきなり優勝を飾った錦織。7月にはATPツアーへの復帰も果たしベスト8へ進出した。だが喜びも束の間。今度は左ヒザを負傷してしまい、またもやケガと闘う日々を強いられ、迎えた「マイアミ・オープン」で約8カ月ぶりに戦いのコートに立つことになった。

―――◆―――◆―――

Q:8カ月ぶりにツアーに戻って、今どんな気持ちですか?

錦織:意外と穏やかな感じです。もちろんうれしいですし、やっとヒザも十分に試合ができるくらいになってきたので、うれしい気持ちとまだまだ不安もありますけど、試合をやってみないことには、自分がどの位置にいるのかわからないので、色々な気持ちが入り混じっています。

Q:ツアーに戻ってきて、懐かしい選手には会えましたか?

錦織:会う人と会う人にみんなに挨拶して、挨拶だけで大変ですね。ティアフォー選手に会った時は「お前まだいたのか!?」と言われました。ニュージェネレーションに、もう時代を渡してもいいんじゃないかと冗談交じりに言われました(笑)。
Q:ヒザの具合はいかがですか?

錦織:動きで言うとまだフルではないという印象です。もちろん怖さもありますし、痛みもまだゼロではないので、でも十分試合はできるようになってきていると思います。昨日もセットの練習もできましたし、2セットでもできたので、何とか大丈夫だと思います。

Q:マックス・ミルニーコーチに代わり、岩渕聡コーチを招聘。どういう経緯があったのですか?

錦織:マックスコーチに関しては突然の出来事(脳腫瘍で手術を受け成功)だったのでとても心配しています。今までなじみもあった岩渕コーチにお声掛けをさせていただいて、現状、今は短期間だけヘルプしてもらう形で(トーマス・)ヨハンソンコーチとも並行して今は2名体制です。これからどうしていくのかはチームで検討していきます。

Q:ヨハンソンコーチと組んでみていかがですか?

錦織:印象としては非常に良いです。自分の得意な部分をしっかり伸ばしてくれると思います。まだ始まったばかりなので、自分のプレーがガラッと大きく変わる事はないでしょうが、これから少しずつ色々ことに取り組んで、良いプレーヤーになれそうだなと感じています。Q:サービスに関するトレーニングは何か取り組まれていますか?

錦織:この1カ月前ぐらいから少し直して、まだまだ形にはなっていないですけど、改善ポイントはいくつかハッキリしています。サービスに関しても短い期間でぱぱっとやって直せるものでもないので、長い目で見てやっていきます。

Q:復帰戦がマスターズ1000というのはタフだと思いますが、どのような決断があったのですか?

錦織:本当は前週のフェニックス(チャレンジャー大会)などに間に合えばよかったのですが、ヒザの状態がギリギリだったので、マイアミが距離的にも近かったこともあり、本当に偶然タイミングが合ったっていう感じです。

Q:この8カ月間、どのようなメンタルで過ごされてきましたか?

錦織:一連の時間のなかで、それぞれのタームで違った厳しさがあって、最初と中盤と最後、治りかけのところは、それはそれでまた本当に苦しくて。試合に出るというゴールが目前に見えてきているのに、身体の他の場所に痛みが出たり、1歩進んで2歩下がるようなことが続いていたのでつらかったですが、結果的に試合ができるところまできたので、とりあえず今、楽しんでやっています。

Q:引退の文字がよぎる事はありましたか?

錦織:それはないですね。
Q:連戦を迎えるにあたっての意気込みを聞かせてください。

錦織:スケジュール管理をうまくやっていかないと、自分の身体もギリギリというか、強くはないんだな、っていうところを痛感したので、連戦は基本的に無理でしょうし、試合が続けば続くほどその分休みも取らなくてはいけないし、そのあたりのスケジュール管理は、うまくやらなきゃいけないというのは強く感じています。

Q:今後の目標を教えてください。

錦織:今のところないですね。ここからの数大会をしっかりとこなせれば、その先にまた目標なども見えてくると思うので、数試合出てみて調整を重ねてみることですね。

Q:初戦の相手、セバスチャン・オフナー(オーストリア)選手の印象教えてください

錦織:まだそんなにチェックしてないのですが、フラット系のテニスをするような印象があります。練習なども一緒にしたことがないので、どんなプレーをするのか、あまりわかっていない状況です。僕にとっても有利だと思うのですが、サーフェスが非常に早いので、彼のフラットのプレーと対峙してどうなるのかな? という感じですね。

Q:念願のカルロス・アルカラス(スペイン)選手、ヤニック・シナー(イタリア)選手が出場する大会です。意気込みを聞かせてください。

錦織:まださすがに対戦はしたくないですね。もうちょっと自分の調子が上がってきたらいいですけど、シナー選手もミスショットが減ってめちゃめちゃ強くなっていますし、あれだけ強打できる選手って今までそんなにいなかったと思うので、(いつか)対戦することができたら楽しみです。

インタビュー提供●WOWOW
構成●スマッシュ編集部

© 日本スポーツ企画出版社