手をぬらさずに傘を乾燥できる…高2が考えたこの装置、パテントコンテストで特別賞

パテントコンテスト特別賞の「ハンディ傘乾燥丸め器」

 鹿児島県南九州市の頴娃高校機械電気科2年小島雄飛さん(17)が手をぬらさずに傘を丸めて乾燥させる装置を開発し、2023年度のパテントコンテストで優秀賞と特別賞(工業所有権情報・研修館理事長賞)に選ばれた。同校からの優秀賞は3年連続4回目。

 文部科学省や特許庁が主催するコンテストで、優秀な発明30件程度を優秀賞とし、特許出願を支援する。特別賞は優秀賞の中から7件が選ばれる。

 JR指宿枕崎線で通学する小島さんは、雨の日に傘の雨水で持ち物がぬれてしまうのを改善しようと簡単に乾かす方法を考えた。傘を手元で回している時に、生地をシートで挟み込むことを思いつき、クリアファイルを使って渦巻き状の雨水除去装置を製作した。

 順回転して丸めた傘を逆回転させることによって生地一枚一枚をシートで挟み、シートに付けた水切りで雨水をかき取っていく仕組み。受賞を受けて特許を出願した。素材を変え、さらに使いやすく改良する。

 小島さんは「身近な問題でも、深く考える視点を持てば、いろいろなことに気付けることがわかった。苦労して一つの形にできてうれしい」。指導する嶽崎明夫教諭(53)は「単なるものづくりでなく、新しい物を創り出すマインドを持ってほしい」と話した。

 23年度は、第一工科大学4年の川元亮真さんが開発した「ベランダの転落防止用手すり」も優秀賞に選ばれた。

「ハンディ傘乾燥丸め器」で特別賞を受けた小島雄飛さん=南九州市の頴娃高校

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