「なぜ閑静な住宅街に造るのか」 陸自訓練場計画の断念を求め決議 うるま石川で市民集会、1200人以上参加【動画あり】

 【うるま】沖縄県うるま市石川のゴルフ場跡地に陸上自衛隊訓練場を新設する計画を巡り、市内外の17団体で構成する「自衛隊訓練場設置計画の断念を求める会」は20日、同市の石川会館で「住宅地への自衛隊訓練場計画の断念を求める市民集会」を開いた。1200人以上(主催者発表)が参加。政府や防衛省に対し、同計画をただちに断念するよう求める決議を採択した。今月中に政府へ要請する方針。

 集会では、中村正人市長は「市民の思いである訓練場の建設反対の意思をしっかり届け、計画の白紙撤回に向けて、皆さまとともに力を合わせて最後まで頑張っていく」と述べた。

 玉城デニー知事は、政府に対して「地元が示している意思を真摯(しんし)に受け止めて、計画を断念するべきだ」とメッセージを寄せた。

 地域住民や若者らも登壇し、「なぜ閑静な住宅街に訓練場を造るのか」「政府は土地取得自体を撤回すべきだ」と訴えた。

 決議では、集会の成功は「計画に対する県民の怒りがいかに大きなものであるかを如実に示している」とし、「住民の視点が完全に欠落したあまりにもずさんな計画と言わなければならない」と批判。木原稔防衛相が「住民生活との関係を重視する観点から土地取得後の利用の在り方について検討している」と発言していることに触れ、「裏を返せばこれまで住民生活を重視してこなかったことの表明でしかない」と指摘した。

 また、保革を超えて沖縄の民意は白紙撤回を求めているとして「これを尊重して寄り添うことが、国民の命と暮らしを守る政府の取るべき態度ではないか」と訴えた。19日時点で5580筆の署名が集まったことも報告された。

 集会は会場が満席となったため、入れない人たちは建物内ロビーのモニターで見守った。

陸自訓練場建設計画の断念を求め、ガンバロー三唱で拳を突き上げる集会参加者=20日、うるま市石川・石川市民会館

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