禁断の「最高にかっこいい北朝鮮代表ユニフォーム」TOP3

日本代表がワールドカップ・アジア2次予選で21日と26日に対戦する、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)代表。

北朝鮮という国については今さら述べるまでもなく、拉致被害者や核開発など様々な問題によって日本とは緊張状態にあり、それらも理由で国交正常化に至っていない“近くて遠い国”だ。

日本とは複雑な関係にある北朝鮮。ここでは、ある意味で禁断の選出かもしれない「北朝鮮代表の最高に格好よいユニフォーム」を3着選んでみた。

1992 ホーム

北朝鮮代表 1992 Admiral ホーム ユニフォーム

かつて北朝鮮は、西側諸国の複数の有名スポーツブランドとユニフォームのサプライヤー契約を結んでいた。その中の一社がイングランドの老舗Admiralだ。

海外では1993モデルとも紹介されるこのユニフォームだが、1992年の時点で使用を開始している。

赤か白の単色デザインが多い北朝鮮ユニフォームにおいて、袖をくるっと一巻きする鮮やかなグラフィックがこの国にしては珍しい。

このユニフォームは1992年10月~11月にかけて広島で開催されたアジアカップでも着用し、日本代表とも対戦した(試合は1-1で終了)。

当時の北朝鮮ユニフォームに関しては資料・情報がともに少ないため、一応“ホーム”とされているこの白基調のユニフォームについても、ホーム・アウェイのどちらなのかよく分からない。なお、北朝鮮のホームユニフォームといえば通常は赤を使う。

2006 ホーム

北朝鮮代表 2006 hummel ホーム ユニフォーム

2004年からサプライヤーを務めていたadidasに代わり、2006年からデンマークの老舗hummelが新たなパートナーに就任した。

核実験やミサイルの発射を繰り返す国家・北朝鮮に対して2006年10月より、国安保理決議による本格的な経済制裁が開始となった。そのような国に対して、どのブランドも新サプライヤー候補に名乗りを上げなかったことは容易に想像がつく。

そんな中で契約したhummelには、チベットなど他のメーカーが契約に難色を示す国に手を差し伸べるイメージが強い。

各世代の男女の北朝鮮チームはこのユニフォームを着て試合を行ったが、記憶に残るのは2007アジアカップ予選、2008北京五輪予選となるだろうか。

このhummel製ユニフォームは、2009年頃にわずかながらユニフォームが市場に流通していた。確かにhummel製ではあるが、実際にユニフォームを北朝鮮側に供給していたのは軍事境界線の向こう側、韓国のhummel(hummel Korea)だったようだ。両国の関係を考えると興味深い。

2010W杯 ホーム

北朝鮮代表 2010 南アフリカW杯 ホーム ユニフォーム

北朝鮮がベスト8入りを果たした1966年イングランド大会以来となるW杯でのユニフォーム。キットサプライヤーは大会直前でイタリアの中堅ブランドLegeaに決定した。同ブランドにとっては現時点で唯一のW杯参戦となっている。

2008モデルを担当した中国のスポーツブランドErkeからの契約延長オファーを断った北朝鮮は、西側資本のブランドとの契約を模索していたという。とはいえ、当時の北朝鮮では手を挙げる企業は簡単には見つからない。

W杯出場国でありながら大会直前までサプライヤー未決定という異例の状態が続いていたが、大会開幕の8日前(そしてブラジルとの初戦の2週間前)にLegeaとのパートナーシップ締結にこぎつけた。

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W杯で着用したホームユニフォームはシンプルな赤。Kappaの“ピチユニ”のように伸縮性が非常に強いモデルだった。

当時のLegeaは両袖に大きなブランドロゴマークを付けるテンプレートを使用していたが、それだとFIFAのユニフォーム規定に抵触してしまうため、急きょW杯対応の特別モデルを製作している。

そんなユニフォームは2011年のアジアカップでも使用。そしてLegeaとのパートナーシップは2014年まで続いた。

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