予算審査特別委で否決 奈良県新年度当初予算案

奈良県の新年度当初予算案が19日に開かれた県議会の予算審査特別委員会で反対多数で否決されました。県は一般会計の総額で5440億円の新年度当初予算案を県議会に提出しています。予算案について議論する県議会の予算審査特別委員会では19日、山下知事に対する総括質疑が行われました。

予算案をめぐっては前の知事が打ち出した、五條市の県有地での大規模広域防災拠点整備を見直し、大規模太陽光発電(メガソーラー)などを整備する計画に、最大会派の自民党・無所属の会などが反発して対立を深めています。

委員会でも「メガソーラーの計画を白紙に戻し、防災のあり方を再検討すべき」「災害時に蓄電池をヘリコプターで輸送することは不可能ではないか」などの意見が出されましたが、議論は平行線をたどりました。

金山成樹委員(自民党・無所属の会)「なんでメガソーラーなのかなというのが本当に分からないんですよ」

山下知事「36億3000万円で買ったこの買い物、この土地を、なかなか太陽光発電以外の有効な使いみちが無いんですよ。一方で太陽光発電にはすごい需要があるんです」

そして10時間半に及ぶ質疑の後、委員長を除く11人で採決が行われ、賛成5、反対6の反対多数で予算案は否決されました。

議会事務局によりますと新年度当初予算案が県議会の委員会で否決されたのは初めてだということです。

委員会のあと報道陣の取材に応じた山下知事は、「県民生活に直結するような内容の予算も多く含まれていますので、今回令和6年度の当初予算案が委員会で否決されたということは、大変残念に思っております。どういう理由で否決をされるのか、理由の不明確な否決である」と述べました。

奈良県の新年度当初予算案は3月25日の県議会本会議で採決が行われます。一方、反対する自民党・無所属の会は修正案を提出する予定で、予算案をめぐる審議は混乱が続く可能性があります。

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