仲里依紗&津田健次郎、相棒への愛語る 「息子が旦那の告げ口をしてくれるんです(笑)」

『おしりたんてい』シリーズの長編映画第2弾となる『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』の舞台挨拶が、3月20日に新宿バルト9にて開催された。

イベントには、ゲストキャラクターであるおしりたんていの元相棒・スイセン役の仲里依紗、スイセンの育ての親で絵の師匠・キンモク先生役の津田健次郎、そしてTVシリーズでおなじみのおしりたんてい役の三瓶由布子とその現在の相棒・ブラウン役の齋藤彩夏が登壇。おしりたんていを演じる三瓶が、紳士なおしりたんていボイスで「みなさん、今日は映画を観ていただき本当にありがとうございます」と挨拶し、イベントが幕を開けた。

本作では、かつての相棒・スイセンからのメッセージをきっかけに、おしりたんていが美術館で起きた絵画の贋作すり替え事件に挑む。事件の裏で暗躍する存在が明らかになる中、おしりたんていは真相を追求していく。おしりたんていの昔の相棒であるスイセンとの絆や、TVシリーズに続く謎解きの面白さに加え、おしりたんていならではのアクションシーンにも注目だ。

おしりたんていを通しての家族ならではの思い出のエピソードを聞かれた仲は「うちの息子がよく絵本を寝る前の読み聞かせで持ってくるんですけど。推理や迷路があっておやすみ前には向いていないような(笑)。『おしりたんてい』が面白すぎて寝てくれないことがあって、『おしりたんていは(寝る前の)今じゃないかな?』って言いたいくらい。大人もゲームしながら楽しめるような作品ですね」と語る。

一方、津田は「僕の場合はテレビシリーズの方で(子どもと)一緒に観てます。『おしりたんてい』って作品の中に、遊びがいっぱい入ってるじゃないですか。フォルムから何からパンチも抜群なので、“これは何だろう?”と思いながら楽しくいつも一緒に観てますね」とコメント。盛り込まれたユーモアも作品の魅力だ。

本作では新旧の相棒が並び立つのも劇場版ならでは。同じ収録現場だった「新旧相棒コンビ」収録時のエピソードを聞かれた仲は、「ずっと作品を観ていたので、本物だ! ブラウンが人になった! と思いました。いろいろアドバイスをいただいたり、(声優は)実写のお芝居とは全く違うので、優しく教えてくださって助かりました」と語った。

斎藤は「スイセンの『君に相棒が必要だと思ったから』というセリフが好きなんです。“仲ぶし”が素敵だなと思いました。ブラウンの視点では過去の相棒としてはヤキモチをやく気持ちもありましたけど、スイセンを一気に好きになりました」と明かした。

そんな新旧相棒に対して、おしりたんていとしてどんな思いを持っているかを聞かれた三瓶は「自分も今回若かりし頃のおしりたんていのシーンがあって、緊張してたんですけど。スイセンと会話すると自然と若返るし、『この2人ってかつてバディを組んでたんだな』と自然に感じられる仲さんのお芝居には感謝しかないです」と述べた。

また、スイセンの昔と今の演じ分けについて聞かれた仲は「スイセンって『何があったの?』ってくらい変わりまくってましたよね。おしりくんが鈍感だから振り向いてもらえないかわいらしいところもありつつ、守らなければならないものがあるからこその気持ちの変化なんでしょうね。人ってあんなに変わるんだと思いました。着てる服まで……一回違う男を挟んでいると思います(笑)」と笑いを誘う場面も。

スイセンの育ての親であるキンモク先生を演じた津田は「なかなかシビアな役柄で楽しかったです。大人が観るとズシッとくる物語だったので、どういうふうに受け取ってもらえるのかなって。ちょっとキンモクの怖いところは大丈夫でしたかね……? 大人も大変なことがたくさんあるんだな、と思ってもらえれば」と語った。

さらに作品の魅力を聞かれた津田は「絆の部分が良いですよね。劇場版はテレビシリーズと(雰囲気が)ガラッと変わるんですよね。全体を通して、劇場版ならではの見応えのある良さがありました」とコメントした。

フリップトークでは、「あなたにとって相棒と呼べる人は誰ですか」をテーマに、4人がフリップで回答。三瓶は、「あやかちゃん&いっけいさん」と書き、「ふたりとも、おしりたんていにとっても、『おしりたんてい』という作品にとっても欠かせない存在なのかなと、いつも心強く思ってるよ」と斎藤に語りかけた。すると齊藤も「三瓶由布子さん」と書いており、おしりくんとブラウンの関係のごとく、キャスト同士もずっと一緒にいるからこその相性抜群な関係を見せた。

続いて、仲は「息子」と回答。「最近は、息子が小学生になって大人な話にもしっかり参加できるようになったんです。旦那がこう言ってたよって告げ口してくれるんですよ(笑)。いい相棒ですよね。旦那が機嫌悪い時も教えてくれるし、あいだを取り持ってくれますね」とエピソードを明かした。

津田は「マネージャー」と書き、「最初、“台本”とか書いてたんですけど、人でお願いしますって言われて。一緒に仕事をやっていく相棒ですね」とコメント。齊藤からの「相棒の好きなところを教えてください」という質問には、「ええっ……(笑)。一生懸命情熱を持ってやってくれるところです。愛がありますね」と答え、戸惑いながらも“公開告白”とも呼べるユーモアあふれる掛け合いを披露した。

また、卒業シーズンを控え、作中でも描かれる“旅立ち”をテーマに、津田と仲から新生活を迎える観客へ向けたメッセージも送られた。津田は「人生には別れも出会いも、これからもたくさんあると思いますけれども。仲良くしていきたい人とは、努力を重ねて繋がっていってほしいです。学校や職場など新しい環境にいく時は、ドキドキするかもしれませんが、良い環境を自分から率先して作れるといいんじゃないかなと思います。これから新しい環境に飛び込む人は頑張ってください。素敵な出会いがありますように」と門出を祝福した。

仲は「大人になるといろんな仕事に就く人がいると思うんですけど、私の俳優という仕事は、映画やドラマで短期間でいろんな出会いや門出があって。小学校のクラス替えにも全部意味があったんだなと思います。すべてが練習になってたというか。『クラス替えやだな』『先生変わるのやだな』って思うかもしれないけど、大人になるための練習だと思えば、ポジティブに捉えられるのではないでしょうか。新しいお友達に出会える機会だと思って、前向きに門出を楽しんでほしいですね」と励ましの言葉を贈った。

最後に、登壇者たちは各キャラクターをイメージした花束を手に、スイセンのうちわを持った観客と一緒に記念撮影を行い、会場は温かな雰囲気に包まれ幕を閉じた。
(文=すなくじら)

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