<レスリング>【U23世界選手権代表選考会・特集】トルコ帰りのメダリスト2選手が優勝…青柳善の輔(山梨学院大)&髙橋夢大(日体大)

学生選抜チームのメンバーとして出場した今月初めの「ヤシャ・ドク&ベービ・エムレ国際大会」(トルコ)でメダルを獲得した男子フリースタイル70kg級の青柳善の輔(山梨学院大)と86kg級の髙橋夢大(日体大)が、そろってU23世界選手権・日本代表選考会で順当に優勝。10月にアルバニアで予定されている本戦への出場権を獲得した。

時差6時間のイスタンブールから帰国したのが12日で、試合が17日。中4日の減量と試合はやはり厳しく、ともに体調的には「きつかった」という本音を口にした。

▲2年連続の日本代表を決めた青柳善の輔(山梨学院大)は昨年に続くメダル獲得を目指す

ともに社会人選手として世界への飛躍を目指す

青柳は遠征中にけがをしたことを明らかにし、帰国しても組み合う練習ができない状況。加えて、やはり疲れも出てきた。2日間は練習を休み、その後の2日間、走ったりで体重を落とす状況。マットワークはできなかった。

しかし、試合までの期間が短かったことで、気持ち的にはかえって耐えられたという。「試合までもっと日数があったら、かえってきつかったかもしれません。こうした満身創痍の状況でも勝てたことは、いい経験でした」と振り返った。

青柳の場合、反対側のブロックにいた学生界のライバル、渡辺慶二(日大)が棄権して有利な状況だったが、髙橋は勝ったり負けたりのライバル、五十嵐文彌(山梨学院大)がいて、決勝で対戦することになった。

いつもながらの接戦の末、逆転で勝つことができたが、「正直、体調はよくなかった。モチベーションも上がりづらかった」と遠征の疲れがあり、試合内容も「納得いかない。本戦までに修正したい」と反省の言葉が出てきた。それでも、青柳と同じく悪いコンディションの中でも勝てたことはいい経験になったと受け止めている。

▲髙橋夢大(日体大)は成長著しい年下選手を破って本戦への出場を決めた

五十嵐とは、2028年ロサンゼルス・オリンピックへ向けて激しい日本代表争いを展開することが予想される。この日は勝ったが、「実力は五分五分と思っている。(五十嵐が)年下ではあるけれど、一人の強豪として考えています」と、今後も激しい闘いを予想。「勝ち続けて自分が成長するのが理想ですが…」と話し、時に負けることはあっても切磋琢磨の中で成長を目指す腹積もり。

青柳はクリナップ、髙橋は三恵海運へ進んで競技を続ける。ともに練習環境は変わらず、強豪の中で練習をこなして世界への飛躍を目指す。

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