【中国】外資誘致を強化へ、政府が行動計画を策定[経済]

中国国務院(中央政府)は19日、外資の誘致強化へ地方政府が取り組む施策をまとめた行動計画を発表した。外資の参入障壁の撤廃や国内の業務範囲拡大といった市場アクセスの改善や、金融支援の強化などの施策を示した。

行動計画は五つの分野で24項目に取り組む。具体的には、外資に対する規制分野を定めた「ネガティブリスト」の縮小や、電気通信や医療などへの参入を拡大する。商業養老保険(個人年金)や健康保険へのアクセスを広げ、国内での保険機関の設立・投資を支援する。外資金融機関の債券市場への参加範囲も拡大する。

先端製造やハイテク、省エネ・環境保護などの分野での支援を増やし、集積回路(IC)やバイオ医薬、ハイエンド設備の外資プロジェクトが相応の支援政策を受けられるようにする。

外資企業のために公平な競争環境をつくることも強調した。

行動計画には、各地方が環境整備とサービス向上に取り組み、外資企業が懸念している現実的問題を突破口として矛盾した問題を解決すると明記した。

国家外貨管理局によると、2023年の海外から中国への直接投資(FDI)は前年比81.7%減の330億米ドル(約4兆9,900億円)と、1993年以来30年ぶりの低水準だった。外資による新規投資が落ち込み、撤退や事業を縮小する動きが出ているとみられる。

李強首相は今月初旬に全国人民代表大会(全人代=国会)で発表した今年の政府活動報告(施政方針演説に相当)で、外資誘致にいっそう力を入れる方針を掲げていた。

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