朝乃山圧倒6勝目 今場所初の白星先行、王鵬を寄り切る

 大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)11日目の20日、西前頭筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は、東前頭3枚目の王鵬(大嶽部屋)を寄り切り、6勝目をつかんだ。今場所初めて白星が先行。三役復帰へ前進し「チャンスはある。残りの相撲が大事。気を引き締めて、全部勝つつもりでいく」と闘志を燃やす。

 朝乃山は攻撃的な取り口で力強さを示した。鋭い当たりから左おっつけで相手の上体を起こして前進。左へ回り込もうとするのを逃さず、なおも押す。左をのぞかせて仕留め、元大関の意地を見せた。

 若手の王鵬を一方的に寄り切り「踏み込んでいった。下から押して崩して、横から攻めた。明日につながる相撲だった」と自ら解説した。

 6日目の熱海富士戦や9日目の宇良戦など、攻め込みながら逆転負けを喫した一番は今も悔やまれる。ただ残り4日間を全て勝てば2桁勝利に乗り、来場所の三役復帰へ望みはつながる。

 12日目は西前頭3枚目の隆の勝(常盤山部屋)と対戦する。大関だった2021年夏場所ですくい投げで下して以来、約3年ぶりの対戦となる。過去は5勝1敗と相性がよく、波に乗れるか。終盤戦に入っても気力が充実しており「肉体的な疲労は大丈夫。ただ勝たないといけないと気持ちが先走ると、土俵際で負けるから」と冷静に土俵に向かう。

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