大丸心斎橋店『和紙糸Tシャツ』でお掃除プロジェクト 大阪・関西万博 TEAM EXPO 2025

大阪・関西万博TEAM EXPO 2025「大丸心斎橋店お掃除プロジェクト」とサステナブル『和紙糸Tシャツ』にプリントされた「ミャクミャク」

大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間) のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」。

このテーマの実現やSDGs(持続可能な開発目標)を達成するための「TEAM EXPO 2025」というプログラムがある。

【画像】大丸心斎橋店・お掃除プロジェクトと桜アート

「TEAM EXPO 2025」では、理想としたい未来社会をさまざまな人々が一緒に創り上げるために個人や団体、活動の規模を問わず誰もが参画できる、”共創チャレンジ”という活動が2020年10月から始まり、今年(2024年)1月現在で1,520件が登録された(日本国際博覧会協会調べ)。

関西では、「町花あじさい復活プロジェクト」(兵庫県姫路市安富町)、「未利用魚の新たな活用大作戦」(兵庫県香美町)、「KIMONO RUNWAY COLLECTION〜京都が誇る着物文化を世界に発信〜」(京都市・ビューティーグレース株式会社)など多岐にわたる。

■プロジェクト始動~大丸心斎橋店

こうした中、1933(昭和8)年にオープンした老舗百貨店・大丸心斎橋店(大阪市中央区)は、2019(令和元)年の建て替えグランドオープン以降、地域貢献の取り組みとして毎週月曜日の開店前に、店舗周辺の清掃活動を行っている。

この活動は「心斎橋エリアお掃除プロジェクト」として、隣接する心斎橋筋商店街やPARCO(パルコ)、ユニクロなどのテナントも協力、御堂筋や長堀通が”日本のシャンゼリゼ通り”と呼ばれ、魅力ある街となることを目指している。
大丸心斎橋店の独自の取り組みとして、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」をプリントしたユニフォームを制作し、参加メンバーが着用してこの活動を広げている。

ユニフォームにはサステナブルな素材として注目される『和紙糸』を使用した。和紙は長さのある植物繊維を使い、繊維どうしを絡めているため非常に耐久性に優れており、水にも強い。『和紙糸』は裁断された和紙に”撚り”(えり・繊維の束をねじる)をかけて作られる。
環境性能と機能性の高さに従業員が着目し、「この素材が広く知られることがSDGs活動につながる」と考えたという。

週明けの18日、午前10時の開店前の30分足らずの間、約30人の従業員が御堂筋から心斎橋筋商店街、清水通りなど店舗周辺で一斉に清掃活動に励んだ。前日夜に雨が降ったこともあり、骨が折れたビニール傘やペットボトル、路面に付着したガムまで剥ぎ取り、45リットルのポリ袋・4つ分のゴミが集まり分別廃棄した。

■なぜ『和紙糸』がサステナブルなのか

(1)水不足解消へ
地球上の水の大部分は海水で、淡水は約2.5%に過ぎない。淡水資源の枯渇が将来的に懸念されるなか、和紙糸はその製造段階で綿に比べて非常に少ない水の量で繊維を作り出すことができるという。
たとえば、Tシャツ1枚を製作するのに必要な繊維量を250gとした場合、綿の場合に必要な水が2500~2900リットル(繊維業者各社調べ)だが、和紙の場合は50リットル(日本紙パルプ工業調べ)で済む。

(2)海洋汚染の要因のひとつ「マイクロプラスチックファイバー」低減へ
和紙糸による繊維製品は、洗濯で生じる”繊維くず”が一般の繊維より少ない。

■『和紙糸Tシャツ』発案者の思い
大丸心斎橋店 お得意様営業部(外商部門)担当・辻直弘さんと張真也さんは、環境面や品質面で価値のあるものは「もっと世に出るべきだ。そのために社会に流通する手助けをしたい」という思いに駆られたという。
「百貨店ならではの、アパレルメーカーを中心としたさまざまな仕入先や販売チャネルとの連携を模索しながら、日本のオリジナルなサステナブル素材『和紙糸』を世界に広めていきたい」と語った。

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■「桜」感じる大丸心斎橋店

大丸心斎橋店では、インスタグラムでは22万人ものフォロワーがいる〈Drawbertson〉として知られ、さまざまな業界やメディアに作品を提供するポップアーティスト、ドナルド・ロバートソン氏による書きおろしアートと桜の装飾が、訪れる人を出迎える。
今春は、訪日外国人にも人気の漢字を使用。 “桜”の文字の成り立ちからインスピレーションを得たアート作品と桜の花が共演する空間を演出する。

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