FRB議長、バランスシート縮小ペース鈍化「近づく」 5月発表も

Michael S. Derby

[20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は20日、FRBがバランスシートの縮小ペースを鈍化させる日が急速に近づいていると述べた。

連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「かなり早い時期に(バランスシートの)縮小ペースを鈍化させることが適切になる」と指摘。ただ、その具体的な時期については明言せず、当局者が現在この問題について議論していると述べるにとどめた。

また、縮小ペースを鈍化させることで、FRBは保有資産の規模をより大幅に圧縮できる可能性があると言及。早すぎる縮小で起こり得る「摩擦を回避できるため、実際にはより低い水準に到達できるかもしれない」とした。

さらに、FRBが保有する債券の最終的な水準は通常のボラティリティーやストレス時を乗り切るのに十分な銀行セクターの流動性の水準を想定しているとした一方、量的引き締め(QT)を停止する際に参考となる簡単な目安はないとし「金額や国内総生産(GDP)比などそのようなものに目を向けるべきではない」と警告した。

パウエル氏の発言について、一部のアナリストは早ければ4月30日─5月1日に開催される次回FOMCでバランスシート縮小ペースの鈍化が発表されることを示唆するものとみている。

今回のFOMC前のロイター調査では、エコノミストの過半数が縮小ペースの鈍化は6月に始まり、来年初めに終了すると予想していた。

投資銀行ジェフリーズのエコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は、バランスシート縮小ペース鈍化について「当行は6月か7月に始まると考えていたが、今回のパウエル氏の発言はおそらく5月の次回会合で発表される可能性を示唆している」と指摘した。

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