埼玉県/大滝トンネル(秩父市)が貫通、施工は大林組JV

埼玉県が大林組・西武建設・斎藤組JVの施工で秩父市に整備していた「大滝トンネル」(地域高規格道路、西関東連絡道路)が19日に貫通した。現道約7キロは急カーブが多く落石や岩盤崩落などの危険もあるため、約2キロのトンネルにより走行時間を短縮し、安全性を高める。同日にブレーカーで最後の切羽を掘り抜き、作業員ら約50人が無事貫通を祝った。
施工場所は荒川白久~大滝。トンネルは延長2053メートル、幅員10メートルを計画する。車線数は2車線。工事内容は▽掘削工▽覆工工▽坑門工▽仮設工。予備設計は三井共同建設コンサルタント、詳細設計を建設技術研究所が担当した。
NATMで掘削作業を実施。現場では、小規模な発破を繰り返して弾性波を伝え、反射波から前方の断層や破砕帯の位置をつかむ「TSP303」や、ドリルジャンボで削孔する際のトルクや打撃圧から前方地山の硬さを測る「トンネルナビ」などの最新技術を駆使した。
西関東連絡道路の埼玉県内の経路は東側から▽花園IC~寄居町▽皆野寄居バイパス▽皆野秩父バイパス▽(仮称)秩父小鹿野バイパス▽小鹿野町~雁坂トンネル(山梨県境)。現時点で花園IC~寄居町間と皆野寄居バイパス、皆野秩父バイパスが開通済み。大滝トンネルは小鹿野町~雁坂トンネル区間に位置する。

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