卒業式の朝 前日にはなかった黒板アート出現 美術部員らがサプライズ 3年生全員の下校見計らって描く 沖縄・浦添市の港川中

卒業式前日に3年生全8クラスで黒板アートを完成させた美術部員ら=15日、浦添市・港川中3年7組の教室

 港川中学校(沖縄県浦添市)の卒業式があった9日、3年生全8クラスの教室に描かれた「黒板アート」が、門出を祝った。取り組んだのは同校美術部35人と有志2人の計37人。式前日の8日に3年生全員が下校したのを見計らって、「卒業生を感動させたい」との熱意で深夜までかけて描き、サプライズ企画を実らせた。(浦添西原担当・比嘉直志)

 発案したのは美術部顧問の宮里盛史教諭(43)。黒板アートで受験生を励ます「カロリーメイト」のCMからヒントを得た。部員はリハーサルを重ね、描く時間や内容を詰めて臨んだ。

 部員らは4~5人ずつ分かれ、チョークを何本も使って描いた。アニメキャラクターや桜の花びらなど、クラスごとに違う絵を、午後5時から11時までかけて仕上げた。卒業式当日、登校した3年生は、前日まで真っさらだった黒板に鮮やかな絵が描かれていることに驚いたという。他のクラスも回りながら、黒板アートを楽しんだ。

 2年の部長を務める又吉璃海(りみ)さんは2組を担当した。「ワンピース」のキャラクターを大きく描き、「3年生に気持ち良く卒業してもらえて良かった」と笑顔を見せた。

 5組の黒板に「文豪ストレイドッグス」のキャラクターを描いた1年の部長、馬場つぐみさんは「色使いや影をつけて、髪のつや感にこだわった」と明かす。6組を担当した1年のサドラーサンディアタ・大樹さんは「『すげぇ』と思われるような絵を描けた」と胸を張った。

 宮里教諭は「『絵の力で学校を明るくしたい』という生徒たちの熱意に打たれた。港川中の伝統になれば」と期待を寄せた。黒板アートは22日の修了式までは残す予定。

1組
2組
3組
4組
5組
6組
8組

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