「爆買い」は過去のものに?お金を使わなくなった中国人

19日、中国の若者の消費意欲の低下を指摘した投稿が注目を集めている。写真は中国のスーパー。

2024年3月19日、中国のSNS・微博(ウェイボー)で、若者の消費意欲の低下について指摘した投稿が注目を集めている。

食品業界の情報を発信している雑誌「食品界」はウェイボー公式アカウントで、「どうして若者はだんだん節約志向になっているのか」とし、「人々の意識が変わったのか。それとも大人になったのか。周囲で普段のお金をいかに節約するかのテクニックを生み出すことがブームになり始めた。節約チームの人数が増えるにつれ、節約のワザを競い合うようにまでなった。周りの情熱に押され、私もその節約競争に参加したが、ひと月足らずで降参した。なぜなら節約している間、まったく楽しくなかったからだ。逆に節約を止めた後の方が、精神的に落ち着いた」と投稿した。

15年前後に起きた、中国からの訪日観光客や団体客が観光バスの行く先々で旺盛な消費行動を見せる「爆買い」現象は、新型コロナ流行により途絶えたが、昨年8月に中国からの団体旅行が解禁されたことで、今年の春節連休(2月10~17日)に再び起こると予想していた人もいた。だが実際には以前のような人出は起きず、例えば銀座8丁目の「肉のハナマサ」前には大型観光バスの車列ができることもなく、買い物袋を抱えた中国人観光客の団体が現れることはなかったという。その理由として、不動産市場の低迷などに起因する国内の不況のほか、中国政府が150を超える「一帯一路」の沿線諸国へのビザなし渡航を拡大する方針を取っており、今年は2月からシンガポール、3月からタイへの相互ビザなし渡航が実現する一方、日本とは相互ビザ免除協定を締結していない。そのため、中国国内では日本を「行きづらい国」と見なしているという。

この投稿について、他のネットユーザーからは「物価が上がって給料が上がらなければ消費意欲は下がる」「コストパフォーマンスを重視しているんだろう」「財源がなければ節約するのが自然」「節約は楽しいよ」などのコメントが寄せられた。(翻訳・編集/原邦之)

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