「多分風景が変わるでしょうから、寂しいね」閉校で消える“梅畑に届く声”【なくなる学校の音②】静岡・島田市

シリーズでお伝えしている「なくなる学校の音」。子どもが少なくなり、静岡県内でも多くの学び舎がその役目を終える中、約150年の歴史をもつ島田市の伊太小学校も3月で閉校します。閉校によって、もう聞こえなくなってしまう「音」。2回目のテーマは「梅畑に届く声」です。

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<伊太小学校 梶原洋人教諭>
「みんなのお皿やお椀が焼き上がってるもんで」

この春、約150年の歴史に幕を下ろす静岡県の島田市立伊太小学校。この地域では地元の粘土を使った瓦の生産が盛んだったことから、50年以上前に陶芸の授業が始まりました。

<伊太小学校6年生 鈴木詩織さん>
「梅の花です。3年生のときに梅とりと、とった梅を梅ジャムにして食べた」

小澤勝さん。学校のすぐ近くで、梅を育てています。

<梅農家 小澤勝さん(81)>
「もう子どもができているところがあるね。花がおさまって梅ができているんですよ」

伊太小学校の子どもたちは地元の名産・梅を知るために毎年、小澤さんの畑を訪ねます。

<梅農家 小澤勝さん(81)>
「純粋な子どもたちが思いがけない質問をしてくる。『なぜ、こんなに梅の大きさにバラつきがあるの?』とかね。新しいことをまた勉強させてもらえる楽しみでもありますよね」

子どもたちの声が学校から梅畑に届きます。

<梅農家 小澤勝さん(81)>
「今のままでいてくれればいいけど、多分風景が変わるでしょうから。閉校になるとね。寂しいね」

<児童>
「ちょうだい。デッかいのデッかいの」

自分たちで作った梅干しを給食で食べます。

<児童>
「しょっぱいほうがいい」
「う、う、うめー」

<伊太小学校3年生>
「ありがとう」「ありがとう」「ありがとう」

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