秋元司被告 〝不詳事の区〟正常化する「政治不信をただす」 衆院東京15区補選出馬

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)をめぐる汚職事件で、収賄などの罪に問われた元衆院議員の秋元司被告(52)が20日、都内で会見し、4月の衆院東京15区補選(江東区、16日告示、28日投開票)に無所属で出馬することを表明した。同補選は、公職選挙法違反で起訴された柿沢未途被告(53)の辞職に伴う。

同区選出の元衆院議員だった同被告は「東京15区は、残念ながら不詳事の区ということで名高くなってしまった」と嘆く。その上で「元々の発端は、私が事件が巻き込まれてしまったことからのスタート。混乱のスタートが私だったということも含めて、しっかり正常化し、収めていかなくちゃいけない」と立候補の理由を語った。

同被告は、同補選の争点を問われ「政治不信ということがひとつのきっかけとなった。政治不信をただすということが大きなひとつの争点になっていく」と強調。さらに「司法のあり方、問題点っていうのを私自身が身をもって知るきっかけになってしまった。司法制度が悪いのであれば、ただすということをやっていかないといけない」と、司法制度改革にも触れた。

同被告は2019年12月、収賄容疑で逮捕された。東京地裁は2021年9月、懲役4年の実刑判決を言い渡したが、同被告は控訴。現在保釈中だ。22日に東京高裁で控訴審判決があるが「私の経験していないことが起訴されてしまった。必ず無罪を勝ち取ると信じている。結果にかかわらず、出馬の意向は変わりません」と強調した。

控訴審で無罪となった場合、同被告は「その可能性はある。私自身は、別に自民党と政策を異にするわけではない。元に戻って活動してまいりたい」と、自民党に公認申請する可能性に言及した。

衆院東京15区補選をめぐっては、共産党が小堤東氏(こづつみ・あずま、34)、日本維新の会が金沢結衣氏(33)、日本保守党が飯山陽(あかり)氏(48)、参政党が吉川里奈氏(36)の擁立を決めているが、自民は候補者擁立に至っていない。

記者団から、自民が同補選に候補者を擁立した場合の対応を問われた被告は「覚悟を持って出馬表明している。他の政党も含めて、先にボールを投げさせていただいた。結果、どう反応するかは待ちたい」と、不退転の決意を見せた。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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