「大盛屋さんの中華そば」復活 20年以上前の味 高校生レストランまごの店 三重

【復活させた中華そばを披露し、食べる松浦会長(中央)と久保町長(右)ら=多気町五桂のまごの店で】

 【多気郡】三重県の多気町商工会(松浦信男会長)は20日、同町五桂の高校生レストランまごの店で「懐かしの味復活事業『大盛屋さんの中華そば』」の発表会を開いた。20年以上前の人気ラーメンの味をよみがえらせた。同商工会加盟店舗を対象に取り扱い希望店を募る。

 復活プロジェクトは同商工会の観光委員会が、「大盛屋さんの中華そばをもう一度食べたい」「復活させて新名物に」という声を受け、立ち上げた。同町の大型商業リゾート施設「ヴィソン」への訪問客を町内全域に取り込むための町内魅力発信事業として取り組んだ。

 大正5年開業の大盛屋は、相可高校や旧町役場の近くで営業したうどん屋。平成14年に閉店して店主は亡くなったが、愛知県に住む子息の助言と同校食物調理科調理クラブの協力を得て、試作を繰り返してきた。

 食物調理科の西岡宏起教諭は「中華そばは鶏がら。(大盛屋は)うどん屋なのでイワシの和風だしを使い、あっさり」と説明。「皆さん『おいしかった』という思い出の味。試作に意見をいただきながら先週、たどりついた。昔の味を知る皆さんに『これや』と言ってもらえた」と話す。

 松浦会長は「多気町は美食のまち。食を発掘して広めていきたい」とあいさつした。

 試食した久保行央町長は「役場で出前や夜食で食べたのと全く同じ味。こんなうれしいことはない」と感激。

 松浦会長らは「うまい」「あっさり」「やさしい」「毎日食べても飽きない味」と話しながら賞味した。

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