バイバイ封印…で再渡米 畑岡奈紗はクラブ調整にも懸命

アジアシリーズは2試合に出場した畑岡奈紗(撮影/桂川洋一)

◇米国女子◇ファーヒルズ朴セリ選手権 事前情報(20日)◇パロスバーデスGC (カリフォルニア州)◇6447yd(パー71)

畑岡奈紗は茨城の実家を出てくるとき、出国を悟られぬよう、そーっと扉を開ける。溺愛する愛犬は勘が鋭い。

「バイバイってやると悲しい。“しれっと”出てこないと騒ぐんです。スーツケースを出し始めたりすると、わかるみたい…」。2月からのアジアシリーズ終了後、日本への一時帰国を経てぬき足さし足で再渡米。今回の遠征は「いつ帰るかまだ決めていない」

フロリダでの開幕2戦、アジアでの3戦(畑岡の出場は2試合)を終えてツアーは米国で再開する。メジャーシーズンに向けて戦いが本格化。「いよいよ本土での試合が始まるのですごく楽しみ」とツアー8年目ともなれば、長丁場を見据えて序盤戦をこなすのは当然とも言える。

ここまでの4戦でクラブの実戦テストを重ね、変化も加えてきた。ダンロップ スリクソン ZX7 Mk IIでスタートしたアイアンセットを、タイでの「ホンダLPGAクラシック」で5番から7番の3本を低重心設計のZX5 MkIIにスイッチ。翌週シンガポールでの「HSBC女子世界選手権」でショートアイアンも「5」に替えた。

アップダウンのあるコースをどう攻略するか(撮影/桂川洋一)

「ボールを高く上げて、上から止めたい思いがあった」という狙い。「トラックマン(弾道測定器)を使わず、自分の目で見てもわかるぐらい高さが違った。ただ、ちょっとスピン減ったのでその辺の調整をしながら」。今週のグリーンは小さく、開幕前までは硬く仕上がっており、このセッティングを継続するつもり。

「オフから少しずつやってきたが、日本の高麗芝とこっちの芝では違うので。日本で良くても、意外とこっち来ると『あれ?』ってなっちゃう時もある」。1Wのシャフト調整、ヘッド重量が異なるパターの選択にも余念がない。

ここまでは2回のトップ10入り。今週から3連戦をこなして4月18日開幕のメジャー初戦「シェブロン選手権」(テキサス州 ザ・クラブatカールストン・ウッズ)に向かう。「久しぶりのアメリカでの試合。良い成績を残せるように頑張りたい」。エンジンをかけていく。(カリフォルニア州パロスバーデス・エステーツ/桂川洋一)

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