EU商工会議所が中国市場に不満「不確実性が増しビジネスがますます困難に」―仏メディア

仏RFIの中国語版サイトは20日、欧州連合(EU)商工会議所が中国市場について「不確実性が増しビジネスを行うことがますます困難になっている」と不満を述べたとする記事を掲載した。写真は中国・南京。

仏RFIの中国語版サイトは20日、欧州連合(EU)商工会議所が中国市場について「不確実性が増しビジネスを行うことがますます困難になっている」と不満を述べたとする記事を掲載した。

記事によると、中国に進出する1700超の欧州企業で組織する在中国EU商工会議所は20日に発表した報告書で、中国市場の不確実性と「厳格な監督管理」が在中国外国企業のリスクを高めていると指摘した。

報告書は、中国政府と西側諸国との地政学的な緊張を背景に、在中国欧州企業は「政治化」が進むビジネス環境によりプレッシャーにさらされているとし、同企業は中国市場で「予測不可能な」経営状況に直面しており、リスク管理により多くの資源を配分する必要に迫られていると述べた。

報告書によると、調査対象企業の半数以上(55%)がビジネス環境が「過去1年間でより政治的になった」と回答した。この「一般的な不確実性の感情」により、欧州企業の76%が過去2年間で中国事業を見直しサプライチェーンを多様化するようになったことが分かった。

一方、中国国外に全く新しいサプライチェーンを構築することを決定した企業はわずか12%、中国とのあらゆる関係を断ち切った企業はわずか1%だった。

在中国EU商工会議所は、こうしたリスクを回避するため、デューデリジェンス(DD、買収調査)サービスやサプライチェーンの詳細なレビューに投資することが競争上の優位性になる可能性があるとの認識を示した。

報告書は、EUの対中国経済政策の中核として浮上している「デリスキング(リスク回避)」について、新型コロナウイルス感染症のパンデミックとロシアのウクライナ侵攻を受けて必要となっていると強調した。(翻訳・編集/柳川)

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